桜の季節も終盤。金沢市内の桜を駆け足でご紹介します。
あくまで私の行った場所で撮りだめした写真です。今年の写真だけではありません。
勿論、桜の名所ランキングでもありません。あしからず。
金沢中心部
先ずは金沢の中心部、観光客も多い場所からスタートです。
兼六園
兼六園には名木が数多くありますが、松を中心とした庭造りです。
桜の木はそんなに多くはありません。
松を中心とした緑の中の桜。目立ちますよ。
これは秋の紅葉にも言えることですが、上手な配置、作庭だと思います。
そんな兼六園では、兼六園の借景、卯辰山を望む眺望台辺りの桜が目立ちます。
卯辰山に点在する桜も綺麗ですね。シャッターを切る観光客が多い場所です。


それと曲水越しに見る桜も好きです。後方に成巽閣の赤い門が見え隠れします。

成巽閣と言えば、成巽閣前の桜も好きな場所です。

成巽閣は高倉健さんと薬師丸ひろ子さんが共演した映画「野性の証明」に登場していました。
また、「恋するおんなたち」にも。
金沢城へ
茶店やお土産屋さんが建ち並ぶ兼六園の江戸町通りを後にして金沢城へ向かいます。

石川橋を渡って金沢城へ向かう石川門辺り、そして、下を走る百間堀通には桜が集中しています。
この時期に訪れた観光客の皆さん、とても嬉しそうな笑顔です。





花見の時期は雪洞も並んで賑やかです。

金沢城公園内にも桜が点在しています。
タイミングが良ければお堀の花筏も見ることが出来ます。



赤レンガミュージアム
江戸時代の金沢城、兼六園を後にして、今度は明治時代の赤レンガの建物へタイムスリップしましょう。
兼六園から300mほど離れた場所に、 旧陸軍兵器庫を利用した赤レンガミュージアム(石川県立歴史博物館、加賀本多博物館)があります。中庭に桜がありますが、壁の煉瓦色と桜色の対比。本数はとても少ないのですが、私の好きなポイントの一つです。

大乗寺坂
さらに200mほど進んでNTTと石引駐車場の間、大乗寺坂へと続く小路も好きな場所です。


金沢21世紀美術館
観光客に人気の金沢21世紀美術館。
新しい施設ですので大きな木はありませんが、桜以外の木々も花を付けて春の訪れを告げています。
円形の近代的な建物と、和のコントラスト。大混雑の館内とは別世界です。


敷地内の茶室の近くには、高峰譲吉がアメリカに贈った桜の子孫が里帰りして植えられています。
金沢市内5か所に植樹されていますので探すのも面白いですが…。

浅野川近辺
主計町
ここ浅野川は女川とも呼ばれています。泉鏡花が名付け親とのこと。
泉鏡花の生家が近く、鏡花の作品にも登場します。
その女川の両岸には、ひがし茶屋街と主計町という花街があります。花街の周囲にもピンク、否、薄紅色、否、桜色としか呼べない色の風景が広がっています。



松任谷由実(ユーミン)と金沢
ユーミンが荒井由実だった時代のアルバム「COBALT HOUR」に収録された「花紀行」は、浅野川周辺の桜を歌ったそうです。私の思い出のレコードたちの中にも、しっかりと残っています。

金沢を第二の故郷と呼ぶほどの金沢ファンを公言するユーミン。
NHKの「SONGS」で、”浅野川を散歩したときに、散った桜の花びらをポケットに詰めて、コンサートの舞台から客席に花びらを撒いた” との発言がありました。
この辺りは、ユーミンが好きな場所のようです。
ユーミンについては、また別の機会に。
ひがし茶屋街寄りの桜



卯辰山
兼六園の借景となっていますが、点在する桜が常緑樹の間に目立っています。
兼六園の向かい側に見えるからか、将又、金沢城の向かい側にあるためか、向山(むかいやま)という別名があります。
近年、桜の植樹が進んでいるようです。ただし、兼六園の借景となっている山ですから、兼六園方向から見た場合、桜が前面にしゃしゃり出ることがないよう、計画的に植樹を進めているようですね。
奥卯辰山健民公園は、ゴルフ場跡地を整備した緑地ですが、かなりの本数の桜が咲いていました。若い木が多いのですが数が多いので綺麗ですよ。
もし、ここでゴルフをしたら私の腕前ではOB連発だったと思います。



犀川周辺
犀川河畔
浅野川が女川なら、犀川は男川です。室生犀星が愛した犀川の出番です。
犀川は犀星のホームグラウンドです。
犀川大橋から桜橋、そして下菊橋へ。犀川の両岸に桜が広がります。
桜橋、桜坂。地名にも桜。
この辺りは桜の名所のようですね。






残雪の山々を背景にした桜
桜の咲くタイミングにもよりますが、雪の残る山々を背景にした幻想的な桜とも出合えます。


寺町台からの眺め
犀川河畔の桜を楽しんだら、通称 W坂を上って寺町台へ。
ちょっとキツイ坂ですが、眼下の桜を愛でながら頑張りましょう。

訪れた時、坂道の階段は桜の花びらで覆われていました。

中原中也も眺めた桜
上り切って右方向へ歩くと、中原中也が幼い頃住んでいた居住地跡が公園として整備されています。歩道に面して、中也の「金沢の思ひで」の一節を記した碑があります。



松月寺の大桜
公園の向かいには松月寺の大桜という、樹齢400年とも言われる国の天然記念物があります。中也も眺めていたことでしょう。
ヤマザクラの仲間で、見慣れたソメイヨシノとは花弁の大きさが違います。開花時期も違います。念の為。




辻家庭園
ここから南東へ進みます。加賀藩家老 横山家の別荘地庭園だった辻家庭園の前の道路に、大きな桜が咲いていました。道路の上にトンネルのように枝を張り出しています。私は初めて見た桜です。

大乗寺
映画「ファンシイダンス」のロケ地となった大乗寺へ。
ただし、かなり離れた場所ですが。


大乗寺丘陵公園
近年整備された公園です。昔は大乗寺山と呼んでいました。
若い桜の下で子供連れがお弁当を食べていました。眼下には金沢市街が広がります。


加賀藩の藩祖 前田利家など前田家の墓所となったのが始まりです。
室生犀星や鈴木大拙の墓所もあります。ここも、松の緑の間に点在する桜が綺麗です。
金沢泉丘高校の桜
公園の下、すぐ近くに桜が見えます。金沢泉丘高校の桜です。
現在の金沢21世紀美術館近くにあった旧制の金沢第一中学校が、1937年(昭和12年)7月に移転し現在に至っています。移転時に植樹したとしても80年以上。
隠れた桜の名所です。

金沢市営陸上競技場
金沢泉丘高校の近くにある金沢市営陸上競技場は、1925年(大正14年)10月に金澤市公設運動場として開場。
金沢泉丘高校よりさらに前ですから桜の古木も。




ここも好きな場所です。
金沢市民なら「若い力」の集団演技の記憶が。
高尾城址
百姓の持ちたる国
ここまで来たのなら、大乗寺丘陵公園から更に南西へ直線距離で2km半ほど進みましょう。室町時代、加賀の守護大名であった富樫氏の山城、高尾城があった場所へと。
1488年、富樫氏は加賀一向一揆で敗れ、この地で自害して滅びます。
これ以降約90年間、加賀は武士が支配権を持てない「百姓の持ちたる国」となります。
高尾城址見晴らし台
悲劇の高尾城跡は高尾城址見晴らし台となっています。
こんな坂を上ると、

山城だけに、こんな景色が迎えてくれます。


鶴来まで
ここまで来たのならお隣の白山市ですが鶴来へと。
手取川の土手
手取川の土手に桜が連なっています。
土手の土を固めるのが目的でしょうね。


林業試験場樹木公園
季節季節の花々が綺麗です。




以上、金沢+鶴来の桜を駆け足で巡りました。
繰り返しになりますが、あくまで私の行った場所だけですし、今年の写真だけではありません。
勿論、桜の名所ランキングでもありません。あしからず。