Hans Potterの日々

映画と音楽と本、そして食べることが好きなオジサンです。徒然なるままに…

いのちの停車場で巡る金沢 Part 4

いのちの停車場で巡る金沢

映画に登場する金沢のロケ地を巡り、小説に登場する場所を探し、写真や関連した金沢ネタを綴っています。

三年ぶりに再開したブログの再開二回目です。

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主計町

Part 3の最後に登場した主計町。まほろば診療所が近く、また仙川院長なじみの店があるという設定なので主計町はよく登場します。

旧町名が復活した町

今から60年ほど前の1962年(昭和37年)に施行された「住居表示に関する法律」で、全国で歴史のある町名が消え、”〇〇8丁目 ” などの味気ない住居表示が増えました。

金沢では全国に先駆けて旧町名復活に動き、1999年(平成11年)に全国で初めて復活したのが加賀藩士 富田主計の屋敷があったことに由来する主計町(かずえまち)です。

旧町名復活 主計町

kanazawa-tourism.net

ロケ地としての主計町

映画やテレビにもロケ地としてよく使われています。

ゼロの焦点

古くは1961年の映画「ゼロの焦点」。

松本清張推理小説が原作です。

雪の主計町が登場します。

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舞妓Haaaan!!!

2007年の映画「舞妓Haaaan!!!」では、京都より京都らしいとロケ地に選ばれましたが、映画の中では京都の “夢見小路” となっています。

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ドクターX ~外科医・大門未知子~スペシャ

2016年7月に放送されたテレビドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~スペシャル」にも主計町の鍋料理の太郎や中の橋が登場していました。

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まだまだありますが本題の流れに戻ります。

金沢の三茶屋街

主計町は金沢の三茶屋街(ひがし茶屋街、にし茶屋街、主計町茶屋街)の中では最も新しい茶屋街です。

ひがし茶屋街

にし茶屋街

主計町茶屋街

土産物店などがないので ひがし茶屋街のように混雑していません。個人的には好きな場所です。

金沢市の茶屋街については、下記のブログで歴史などを少し長めに取り上げています。

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検番の近くでは…

料理屋、置屋、待合の三業組合の事務所、検番(見番とも)。

茶屋街の検番の近く、主計町なら検番に近い暗がり坂辺りでは、芸妓さんのお稽古事の音が聞こえることがあります。

手振れしていますが動画にもお稽古事の音が。


www.youtube.com

にし茶屋街の検番前でも聞いたことがあります。


www.youtube.com

浅草に長く居たので浅草見番(浅草三業会館)は何度か訪ねて馴染みがあります。そのせいか金沢の茶屋街では検番近くを歩くことが多いですね。

asakusakenban.com

金沢おどり

金沢では三茶屋街の芸妓さん総出演の ”金沢おどり” が毎年開催されています。

研鑽を積んだ芸事のお披露目。芸妓さんの晴れ舞台です。

kanazawaodori.jp

次のリンクでは三茶屋街の芸妓さんと、お茶屋さんを紹介しています。

ご参考まで。

kanazawageigi.jp

主計町のなじみの店 ”STATION”

Bar STATION

映画のシーン

仙川院長なじみの主計町の店 ”STATION” は小説にも映画にもよく登場します。

”診療所のすぐそば、下新町にある神社の境内から暗がり坂を下りる途中にあるという。その昔、旦那衆が花街への通い道とした坂だ。”

(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)

映画のシーン

ここです。

暗がり坂

映画では、暗がり坂を下りてすぐの ”菊のしずく” というバーを店としてロケしたようですが、Googleマップでは閉業となっていました。

入ったことがないので詳細は分かりません。店内のシーンは別撮りのようです。

暗がり坂 左側の建物です

暗がり坂 旦那衆が花街へ通った道

旦那衆が花街へ通った順路を写真で並べます。

旦那衆になったつもりでご覧ください。

下新町にある神社は久保市乙剣宮です。

久保市乙剣宮

拝殿の右側を進み、

久保市乙剣宮 拝殿横

久保市稲荷社の前を通って右折すると、

久保市稲荷社

暗がり坂の下り口が見えてきます。

暗がり坂の下り口

石段を下りるとさっきの場所です。

暗がり坂の石段

昔は木が生繁って別名の暗闇坂がピッタリだったことでしょう。

尾張町の旦那衆は前田利家所縁

神社の近くには尾張町という町が。

前田家が尾張荒子前田利家の出身地)から呼び寄せた御用商人の町です。

商家の裕福な旦那衆が通ったんでしょうね。

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泉鏡花が生まれ育った町も近くに

金沢三文豪の一人、泉鏡花は近くの下新町で生まれ育ちました。

久保市乙剣宮の鳥居前の道路を左へ少し歩くと泉鏡花記念館の入口です。

神社前の通りから見た泉鏡花記念館と、

神社側から見た泉鏡花記念館

表通り側から見た泉鏡花記念館の写真をどうぞ。

泉鏡花記念館

近くには150台の蓄音機が展示されている金沢蓄音機館や、泉鏡花の好物だったくるみのあめ煮の佃 本店などがあり、個人的には好きな界隈です。

次のブログでも紹介しています。

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神社近くの病院が診療所のイメージ?

原作では診療所のすぐそばに神社があることになっています。

実は神社のすぐ後ろには恵寿金沢病院があります(神社の左後方に一部写っている灰色コンクリートの建物です)。診療所とは規模が違う病院ですが、原作者の南杏子さんにはこの病院の場所のイメージがあったのではないかと。

映画のシーンに追記

先ほどの映画のシーンをもう一度載せます。

映画のシーン

検番前には照葉ざくら

芸妓さんが暗がり坂の石段を下りているシーンの右端に ”暗がり坂” の標柱があります。

泉鏡花の小説 ”照葉狂言” に因んで名付けられた照葉ざくら横の ”照葉ざくら命名の記” と対をなすように立っています。

桜の時期の写真がありました。

検番前の照葉ざくら

照葉ざくら命名の記と暗がり坂の標柱

あかり坂 五木寛之さん

主計町には金沢所縁の作家 五木寛之さんが名付けた あかり坂もありますよ。

あかり坂

柳瀬尚也(みなみらんぼうさん)

Bar STATIONのバーテンさん柳瀬尚也をみなみらんぼうさんが演じています。

原作のイメージにピッタリでした。

映画のシーン

劇中歌 ”station”

映画のシーン

劇中歌 ”station” をどうぞ。


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みなみらんぼうさんも80歳。

ご存知ない方もいらっしゃると思いますが、フォークシンガー、シンガーソングライターです。

山口さんちのツトム君

大ヒットした、NHKみんなのうた ”山口さんちのツトム君” の作詞・作曲者です。


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在宅医療の患者さんたち Ⅱ

並木シズ(松金よね子さん)

夫の並木徳三郎が妻シズを老々介護している並木家。ゴミ屋敷状態でしたが、野呂聖二と看護師の星野麻世の二人で大掃除をします。

野呂聖二のベンツに、あのベンツにゴミを積んで。

映画のシーン

大槻千代(小説に登場する患者さん)

このシーンで思い出したことがあるので一旦並木シズから離れます。

映画では、初めて並木家を訪れたとき看護師の星野麻世が白石咲和子にスリッパを差し出します。

家の中が足の踏み場もないほどゴミで溢れているためです。

小説では、映画には登場しない大槻千代の自宅を訪れたときに星野麻世が足カバー、防水のコート、そして防塵マスクまで差し出します。

それほど酷い、異臭も凄い、野呂聖二も腰が引けるほどのゴミ屋敷でした。

高血圧、糖尿病に加えてセルフ・ネグレクトも疑われる患者さんです。

石坂

かつて ”石坂” と呼ばれた町に大槻千代は住んでいます。

小説の表現を借りれば、

”かつてそのあたりは「石坂」と呼ばれ、遊郭があった。(中略)石坂はチープであやしげな街という裏の雰囲気に満ちていたという。”

(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)

石坂はそういう町だったようです。

にし茶屋街のすぐ近くですが私は訪れた事がありません。

Googleマップストリートビューでは用水に掛かる橋の名前に当時の名残が。

中村町 大槻千代の一人娘の飲食店

石坂からすぐ近くの中村町に大槻千代の一人娘、小崎尚子が住んでいますが、飲食店を経営しているので大槻千代の世話までは中々手が回りません。

確かに施設に入居しているならまだしも子供にも自分の生活がありますし。

でも、飲食店を一ヵ月ほど休業して夫婦で大槻千代宅の大掃除を断行します。

順調に進んでいるかと思えましたが、大槻千代は家庭の中で最も危険な場所、浴室で怪我をします。その後いろいろありますが最後は…。小説でご確認ください。

中村町は中央部に中村神社、周囲を商業施設などが囲んでいます。

中村神社

アピタ金沢店

この商業施設は以前のブログにもサンテラス・ユニ―の名前で登場しましたが、かなり昔からあります。

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並木シズ(続き)

小説では、誤嚥した並木シズを見て、並木徳三郎が慌てて救急車を呼びます。

”何のための在宅医療ですか。”(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)

搬送先の加賀大学医学部附属病院で担当医との会話の中、白石咲和子は救急救命センターで勤務していたころの自分を思い出します。口の悪い同僚の医師が言った言葉を。

”老人施設の代わりにベッドを占拠されると困るんだけどなあ”

(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)

確かに緊急の患者さんが多い病院ではそうなりますね。

在宅死の方針だとしても、看取りの経験のない家族に………。

”「一人じゃ怖えし」と言った徳三郎もまた、看取りについては初心者なのだ。”

(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)

いろいろ考えさせられます。

白石咲和子は並木徳三郎に「死のレクチャー」を始めます。

死が近くなったときの状態etc. 看取りの心構えです。

小説のこの部分はとても印象に残っています。

是非、原作で読まれることをお勧めします。

映画のシーン

雨の日に並木シズは亡くなります。

生前はあれだけ悪態を吐いていた並木徳三郎ですが………。

今回はここまで。

次回Part 5へ続きます。