Hans Potterの日々

映画と音楽と本、そして食べることが好きなオジサンです。徒然なるままに…

いのちの停車場で巡る金沢 Part 3

三年ぶりの「いのちの停車場で巡る金沢」 です

小説と映画の「いのちの停車場」。

出典:いのちの停車場(南杏子著、幻冬舎発行)

出典:映画comのWEBサイト

いのちの停車場 : ポスター画像 - 映画.com

Amazonnのプライム対象ビデオになっていたので再試聴しました。

小説と映画の舞台となった金沢のロケ地巡り。三回目です。

二回目(2022年10月27日)で、

ようやく、まほろば診療所の場所まで辿り着きました。

次回へ続く予定です。

と書いてから実に三年が経過しました。

hanspotter.hatenablog.com

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中断した理由は次のブログでお分かりいただけるかと。

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いまさら、と言わずに是非

小説は2020年、映画は2021年公開。

原作、映画から4,5年も経っていますが、ロケ地の写真だけでなく金沢ネタも挟んでいますので、いまさら、と言わずに是非。


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何しろ前回ブログが三年前です。小説を読み返し、映画を再視聴してストーリーを確認しました。

が、Hansの脳細胞も三年分老化していますので、細部で不整合が発生するかもしれません。あしからず。

写真も大部分は撮り溜めしたもので撮影年度も季節もバラバラです。

最初に役者さんの名前を括弧書きしたあとは、役者さんの名前ではなく小説や映画の登場人物名、役名で続けます。

まほろば診療所

まほろば診療所のメンバー

Part 2 で主人公の白石咲和子(吉永小百合さん)は新しい勤務先 まほろば診療所に着きました。在宅医療専門の診療所です。

白石咲和子は、怪我をして車椅子生活となり訪問診療ができなくなった院長のピンチヒッターです。

原作ではまほろば診療所の院長 仙川徹(西田敏行さん)の父と白石咲和子の父 白石達郎田中泯さん)が加賀大学医学部の同級生なので仙川徹と白石咲和子は旧知の間柄ですが、映画では初対面の設定となっています。

仙川徹(西田敏行さん)

小説では事務員もいる診療所ですが、映画では院長の仙川徹と、

映画のシーン 院長の仙川徹(西田敏行さん)

星野麻世(広瀬すずさん)

看護師の星野麻世(広瀬すずさん)の二人だけです。

映画のシーン 看護師の星野麻世(広瀬すずさん)

エンディングテーマ ”いのちの停車場” は西田敏行さんが

院長役の西田敏行さんは、作詞が小椋佳さん、作曲がギタリスト村治佳織さんのエンディングテーマ ”いのちの停車場” を歌っています。

西田敏行さん、この映画の公開3年後ですね。


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訪問診療の患者数

原作では、200人いた患者さんのほとんどが院長の怪我の後転院して、残っている患者さんは25人になっています。

映画では金沢市の地図上に記入された患者宅は5カ所ほど。

映画のシーン

救急救命センターの副センター長として大勢の患者を相手にしていた白石咲和子は楽勝だと考えますが…。

訪問診療開始

金沢弁で訪問診療開始

仙川院長の

”ほんなら咲和ちゃん、しなしなぁ~と始めようけ”

(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)

という金沢弁で送り出された白石咲和子ですが。

”しなしなっと” は金沢弁で「のんびりと」や「ゆっくりと」という意味です。

原作では時々金沢弁が登場して楽しませてくれます。

金沢弁も幼いころに聞いたものとはかなり変化しています。

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小説では軽四で、映画では自転車での訪問診療

小説では、看護師の星野麻世が免許を持っていないので診療所の軽四を白石咲和子が運転します。かなり久しぶりの運転にプラスして城下町特有の細く曲がりくねった道路に苦戦します。

実際、私は東京では車の必要性をほとんど感じませんでした。白石咲和子もずっと東京に暮らしていて金沢に帰ったばかりですから運転は久しぶりでしょうね。

白石咲和子以上に助手席に座った看護師の星野麻世が危なっかしい運転にハラハラしています。

映画では自転車での訪問診療です。

台地に挟まれた金沢を普通の自転車で…😅

金沢は坂の町ですよ~、白石先生。

観光で自転車を使いたいという皆さんは、前回のPart 2で触れた「まちのり」という公共シェアサイクルの電動アシストをご利用ください…ね。

坂のまち金沢

kanazawa.hakuichi.co.jp

武家屋敷近くを自転車で

二人が自転車で走っている場所は武家屋敷跡近くの長町、大野庄用水の横です。

映画のシーン 自転車で訪問診療開始

ここですね。

長町 用水に沿って

車道と用水と歩道が並行しています。

長町 武家屋敷跡近く

近くには魚屋さんや酒屋さんもあり、観光スポット 武家屋敷の近くですが生活感があります。西村鮮魚店さんはエンドクレジットのロケ協力に載っていました。

近くの魚屋さんと酒屋さん

用水のまち金沢

藩政時代に数多くの用水が作られ、令和の今でも用水が縦横に走っている金沢は用水のまちです。

その数55、総延長は約150km。飲食店が立ち並ぶ市街地、武家屋敷跡、そして兼六園金沢駅等々に用水が流れています。

幸いにして大きな災害や戦災を免れた金沢市は道路が狭く、以前は用水も暗渠となっていましたが、歴史的な町並み保全を目的として復活しました。

下記ブログでも触れていますので、どうぞ。

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在宅医療の患者さんたち Ⅰ

患者さんについての詳細は小説なり映画なりで確認していただくとして、このブログでは患者さんを演ずる俳優さんを中心にしたいと思います。

寺田智恵子(小池栄子さん)

武家屋敷跡を自転車で

観光客で賑わう武家屋敷跡を通って目的地に向かいます。ん?三輪の自転車?

映画のシーン

ここですね。武家屋敷跡なので立派な庭木が目立ちます。

武家屋敷跡

寺田智恵子(小池栄子さん)は原作には登場しません。粋な芸妓さんです。

映画のシーン 寺田千恵子(小池栄子さん)

金沢市内で見かけた粋な姐さん

寺田智恵子が神社を参拝するシーンがあります。

映画のシーン

金沢市内の神社で見かけた粋な姐さんを思い出しました。

この雰囲気はレンタル着物で歩いている観光客には無理でしょうね。

石浦神社 茅の輪くぐり

飾り扇子

寺田智恵子の部屋にある飾り扇子や掛け軸(入れ替え軸)。

度々登場して季節の移ろいを描いています。映画でご確認ください。

最初のシーンと春のシーンを載せます。

映画のシーン 香炉や加賀手毬などの小物も

金沢の芸妓さん

次のリンクに金沢の芸妓さんの紹介がありました。

後で登場予定の主計町茶屋街の項でも取り上げたいと思います。

kanazawageigi.jp

kanazawageigi.jp

並木徳三郎(泉谷しげるさん)

並木徳三郎は、脳卒中で倒れた奥さんの並木シズ(松金よね子さん)を自宅で看病している所謂 老々介護の老人です。

映画のシーン 並木徳三郎(泉谷しげるさん)

映画のシーン ベッドに寝ているのが並木シズ(松金よね子さん)

泉谷しげるさんの見た目に適した(失礼🙏)役柄で、短気で口が悪く幾つもの病院と喧嘩別れ。

家はゴミ屋敷状態です。

白石咲和子とも一悶着がありました。

泉谷しげるさん

歌っている泉谷しげるさんを知っている人も少なくなりつつありますね。

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訪問診療一日目が終わり…

桜坂を自転車で

ここまでの訪問で、白石咲和子はすっかり自信を無くしてしまい、帰り道で看護師の星野麻世に愚痴ってしまいます。

坂のまち金沢で毎日自転車は無理。

これまでの医療現場で当たり前に存在していた電子医療機器はなく、聴診器、血圧計のみが頼り。

そして患者さんに対する愚痴も…。

映画のシーン

映画のシーン 遠景

二人が自転車を押して上っているのは桜坂という犀川沿いから寺町台へ続く坂です。

映画の冒頭で白石咲和子が父と上った自宅のあるW坂の近くです。

桜坂とW坂(石伐坂))の分岐

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電動アシストじゃないと自転車ではキツイ坂です。

こんな傾斜の坂です

桜坂という名前のとおり桜のシーズンは綺麗ですよ。

桜坂 桜の季節

映画「8月のクリスマス」でもこの坂がロケ地になっています。

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助っ人の登場

往診の日々

主計町を自転車で

往診から主計町を通って診療所に戻ります。

映画のシーン

ここら辺りでのロケです。

主計町 浅野川大橋

野呂聖二(松坂桃李さん)の登場

診療所に戻ると、原作ではド派手な車が停まっていたとの表現ですが、映画では野呂聖二(松坂桃李さん)のベンツが診療所前に停まっています

映画のシーン

野呂聖二は、良かれと思ってとった行動が問題となり、白石咲和子が前職を辞する一因となった青年です。

その責任を感じて東京から白石咲和子を追いかけて来ましたが…。

映画では人を雇う余力がないと揉めますが仙川院長の鶴の一声で採用が決定し、自転車での往診がなんとベンツでの往診となります。

小説では野呂聖二が診療所の軽四を運転し、看護師の星野麻世は白石咲和子の危なっかしい運転から解放されますし、白石咲和子も車の中でカルテなどを再確認する余裕が出来ました。

今回はここまで。

次回Part 4へ続きます。