いのちの停車場で巡る金沢
映画に登場する金沢のロケ地や小説に登場する場所を巡り、写真や関連した金沢ネタを綴っています。
三年ぶりに再開したロケ地巡りの再開三回目です。
小説に登場する場所巡り
小説表紙の場所は何処

小説の表紙を飾るイラスト。
金沢市民には思い出のある場所ですが、映画には登場しない場所ですし観光スポットでもありません。
小説を読み、映画を観た方の中には「何処?」と思った方もいたのでは?
前回のPart 4で登場した大槻千代のエピソードの後に登場します。
別のブログでも取り上げましたが、今回もう一度触れます。
ここからは映画ではなく小説に登場する場所巡りです。
古いアルバム
日曜日の朝、父 白石達郎が古いアルバムを持ち出してきます。
幼い日の白石咲和子が写っています。
三十間長屋 金沢城公園
その中に、
”咲和子が落ち葉の上を寝転がったり、落ち葉をかぶったりしている写真だった。金沢城公園の三十間長屋のそばには、秋になると落ち葉で覆われる場所がある。父は、いい背景の場所をよく見つけたものだ。”
(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)
全くの偶然ですが、撮り溜めした写真に三十間長屋のそばの同じような場所が写っていました。Hansは、いい背景の場所をよく見つけたものだ(笑)


三十間長屋は重要文化財に指定されています。

「99.9 刑事専門弁護士」にも登場
次のブログにも登場します。
軍都 金沢
三十間長屋のある金沢城址は、明治以降、長い間旧陸軍省の管轄となっていました。
旧陸軍省管轄の間に失われた建物なども。
戦後、1949年(昭和24年)から1995年(平成7年)までは金沢大学のキャンパスとして使われ、お城の中の大学として有名でした。
下記ブログで扱っています。軍都 金沢の参考までに。
小さな疑問
金沢大学移転の後に公園として開放されましたが、ここで小さな疑問が。
白石咲和子は62歳という設定ですが、三十間長屋そばの幼い日の白石咲和子の写真が。
3~5歳と仮定すれば60年近く前です。
その頃の金沢城址は金沢大学のキャンパスで一般開放されていません。
三十間長屋そばの写真はどうやって…?
小説では、白石達郎はキャンパス、学部は違うものの大学の勤務医でした。
それなら写真撮影も可能ですね。と自己完結。
卯辰山へ
白石咲和子は金沢城公園のこの場所か兼六園へ行こうと父を誘いますが、
”新幹線の開業で金沢は観光客であふれるようになった”
(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)
と達郎は乗り気ではありません。
結局、卯辰山へ向かいます。
プチ観光公害
京都などとは比較になりませんが、金沢もプチ観光公害状態です。
金沢ヘルスセンター跡地
二人が向かった卯辰山は、金沢の北東に位置する小高い山です。
以前、動物園と水族館、そして遊園地、演芸場、宿泊施設などを備えた金沢ヘルスセンターという娯楽施設がありました。
山の上の動物園や水族館は珍しく、子どものころ何度も行った記憶があります。
名称変更などもありました。1993年(平成5年)に閉園しています。


小説表紙の場所は此処です
父娘はこの金沢ヘルスセンターの跡地、卯辰山の見晴らし台に到着します。
小説表紙は、この見晴らし台からの風景です。


もう一度小説の表紙を載せます。

下のブログで “金沢ヘルスセンターの記憶” と題して少し詳しく取り上げています。
小説の、
”奥には金沢城の城壁が見える。こんもりした木々は兼六園だろう。”
(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)
は、次の風景でしょうか。

Part 4のシーンで思い出したこと
前回のPart 4に載せた、最後の映画のシーンを覚えていますか。
このシーンです。
写真の奥の方に坂が見えますね。
ひがし茶屋街から卯辰山、そして長谷山 観音院へ続く坂です。

この長谷山 観音院で四万六千日を思い出しましたので、ストーリーから離れますが関連する金沢ネタを少し。
四万六千日
神仏所縁の日である縁日にお参りすると功徳があると言われ、特に7月10日は46,000日分の功徳があると信じられています。
小さいころ、縁日の屋台が楽しみでしたが、縁日の意味は勿論知りませんでした。
浅草寺
四万六千日で有名なのは浅草寺。


ほおずき市
浅草寺の四万六千日?との反応があると思います。
浅草寺の四万六千日の縁日、7月9日、10日は "ほおずき市" で大賑わいとなります。
浅草寺の四万六千日は知らなくても "ほおずき市" をご存知の方は多いのではないでしょうか。



四万六千日に赤とうもろこし
先ほどのほおずき市の写真、三枚並んだ最初の写真に三角の雷除札と ”雷除”と記された提灯が写っています。
その昔、赤とうもろこしが雷除けになるという民間信仰があり、四万六千日の縁日に赤とうもろこしを売る屋台があったようです。その赤とうもろこしが明治に入って不作となり、困った信徒の頼みで、浅草寺で赤とうもろこしの代わりに雷除のお札を授与するようになったそうです。
ほおずき市の歴史
浅草寺で始まった四万六千日の縁日が他の寺社でも行われるようになり、愛宕神社で四万六千日の縁日に立っていたほおずき市が逆輸入のような形で伝わり、浅草寺でもほおずき市が立つようになって現在のほおずき市に繋がっているとのこと。
ほおずき市の起源は明和年間(1764〜72)とのことですから、250年以上の歴史です。
詳細は浅草寺のWEBサイトで。
観音院
とうもろこし
金沢では長谷山 観音院の四万六千日。とうもろこしが有名です。
あくまで推測ですが、かつて四万六千日の縁日で売られていたという赤とうもろこしが観音院のとうもろこしのルーツではないでしょうか。

とうもろこしのご利益は、もう ”毛” がある…儲けがある
観音院のとうもろこしを軒先に吊るすと、魔除け、無病息災、商売繁盛のご利益があるとのこと。
最後の商売繁盛は、とうもろこしのひげを ”毛” に見立てて、もう ”毛” がある…儲けがあるとのことだそうで、”毛” の多いとうもろこしが喜ばれるようです。
ひがし茶屋街界隈では、とうもろこしを吊るしているお宅をよく見かけます。

こんな、とうもろこしまで
観音院の人気に肖ったのか、こんな商品もありました。

観音院の女坂と男坂
映画のシーンに写っているのはこの坂、観音院、卯辰山に続く女坂です。

もう一つは男坂。女坂より少し急ですが整備された石段がありますし距離も短いので、ほとんどの人はこちらを使っていると思います。金沢市街地も見えますし。





すぐ近くには金沢市民にはお馴染みのステーキハウス六角堂や松魚亭があります。
今回気付いたのは、この二店舗の住所が観音町だということ。
2019年の旧町名復活で、東山1丁目から観音町として復活したようですね。
実は高校生まで金沢にいましたが、観音院の四万六千日を知りませんでした。
知ったのは浅草寺の方が早かったですね。
映画「吉祥天女」のロケ地にも
映画「吉祥天女」もこの近くでロケしています。
日本最強の金運のパワースポット
金劔宮の乙劔社
話が更に逸れますが、ソフトバンクの孫正義さんも参拝していると言われる、日本最強の金運のパワースポット、鶴来は金劔宮の乙剱社。
ここにも女段と男段があります。
加賀大学医学部附属病院
ここで小説へ。ストーリーは少し前後します。
金沢大学医学部附属病院
小説では白石咲和子の父 白石達郎が加賀大学医学部出身という設定です。
加賀大学医学部。地元の人間なら誰でも金沢大学医学部だろうと。
父と加賀大学医学部附属病院を訪れた白石咲和子が、
”リゾートホテルや空港ビルと言われても通るようなモダンな造りで、かつての古びた病院の姿はどこにもない。”(出典:いのちの停車場 南杏子著、幻冬舎発行)
と。小説では白石咲和子は加賀大学医学部の受験に失敗しています。


金沢大学医学部附属病院は、1998年から2016年までの18年間をかけて建て替えを行いました。石川県だけではなく近隣の県からの来院も多い地域の基幹病院です。入院患者や外来患者の診察、治療を途切らす訳にはいきませんので18年という期間は納得です。
父の手術
下は2011年7月のストリートビューです。建て替え前の建物が写っています。
父が手術をしたのはこの建物のころです。
写真正面が出入口の車寄せですが、この建物の向かって右側が半地下のようになっていて、そこの集中治療室で一晩付き添いをしました。
連れの入院
下は2023年7月。現在の建物です。
連れが入院したときはこの建物になっていました。
何や彼やお世話になっています。
のとキリシマツツジの登場
金沢大学医学部附属病院を連想させるキリシマツツジが登場し、キリシマツツジの前で父娘は記念写真を撮ります。
出入口、車寄せ前のこの立派な のとキリシマツツジ。


のとキリシマツツジが満開|金沢大学附属病院 Kanazawa University Hospital
のとキリシマツツジとは
次回は映画からです。この病院に白石咲和子の父 白石達郎が入院します。
小説と映画の舞台を巡り、金沢ネタを挟むと長くなります。
Hansの金沢愛の表れでしょうか(笑)
また、小説と映画でエピソードが前後し、自分でも分からなくなる事も。
まぁ、仕方ないかな。
今回はここまで。
次回Part 6へ続きます。