八月と8月
石川セリ 八月の濡れた砂
「八月の」や「8月の」で始まる映画といえば、「八月の濡れた砂」を最初に思い出します。映画以上に、石川セリ(夫は井上陽水)の主題歌の印象が強いな。
思い出のレコードの中にもあります。
八月と8月
他にも「八月の狂詩曲」、「八月の鯨」、近くは「8月の家族たち」なども記憶に残っています。
長々と書きましたが、本日のお題は1998年の「八月のクリスマス」と2005年の「8月のクリスマス」です。
8月のクリスマス
日本の映画 リメイク版
最初に見たのは2005年の「8月のクリスマス」です。
職場の女性が「金沢でロケしたそうですよ」と教えてくれました。山崎まさよし主演。主題歌も山崎まさよしだそうです。
テレビドラマ「奇跡の人」で、山崎まさよしの主題歌「僕はここにいる」が印象に残っていたので、早速、DVDを借りて視聴。
金沢ロケ?
見終わって「ん!? どこ?」です。金沢らしい風景を見つけられません。
バイクで走っているシーンに、見たことがある銀行の看板が写っていましたが、市電が走っています。市電が走っていてあの銀行の看板がある所といえば、富山市、高岡市、福井市? 金沢市の市電はかなり前に廃止されています。
ロケ地探し
DVDを見直して漸く分かりました。
冒頭で、雪の降る中を主人公が見つめているのが金沢の犀川です。一度気付いてからは、探すのは早かったですよ。
山崎まさよしと関めぐみが歩いている坂、そして関めぐみが焼き芋を買っている坂は桜坂です。全国各地にある坂の名前ですね。
焼き芋を買っている場所の後方、石垣の上の建物は料理屋さんでした。私は知らない店ですが、元々は個人宅だったものを改装して2017年に開店したようです。随分立派な個人のお宅だったようですね。
桜坂のこの付近から犀川河畔を眺めると桜が綺麗です。桜坂の名前の由来でしょうか。
犀川付近などの金沢の桜について、以前、ブログにまとめたことがあります。
二人が競って駆け上がっているのが石伐(いしきり)坂です。
W坂という別称が一般的かな。
桜坂の秘密の場所
二人が川を眺めている「秘密の場所」は私には馴染みがありませんでした。
映画では石伐坂(W坂)を上って「秘密の場所」を目指していましたが、桜坂沿いに別の上り口があります。滅多に人が通る場所ではないと思います。
金沢生まれの私ですが、「秘密の場所」は初めてでした。観光名所でもない、まさに「秘密の場所」です。映画のロケハンで見つけたのでしょうか。
石伐坂(W坂)との分岐点を桜坂方面へ上り、写真のような細い石段を上り切ったところが「秘密の場所」です。
職場の女性が親切に教えてくれましたが、大部分は金沢ではなく高岡市のロケだったようです。お礼方々、そのことを彼女に伝えると「韓国の映画も見たけど、日本の映画では金沢の “秘密の場所” が効果的に使われていたので」とのこと。
八月のクリスマス
韓国の映画 原作
「韓国の映画?」彼女に詳しく聞くと、日本の映画はリメイクだとのこと。
私は韓国のドラマや映画は見たことがありません。
ただ、日本版を見て気になった点があったので原作を借りました。
ここからは、誤解のないように先に書いておきますが、決して、どちらの映画が良いという比較ではありませんので。
映画を見て、気になった点や気付いたことを羅列します。
日本版で気になっていた点
韓国版を見て、日本版で気になっていた点が理解できました。
① 立ちションのシーン
友人と飲んだ後、二人で立ちション。「おいおい。昭和の東京オリンピック前の時代じゃないし」と思わず突っ込みましたが、原作に忠実なリメイクだと分かりました。
② ヒロインが写真店のガラスを割るシーン
「気持ちは分かるけど、そこまでやるか」と思わず突っ込みましたが、これも忠実なリメイクでした。韓国版では助走して石を投げていました。韓国版の方が激しいですね。お国柄でしょうか。
原作で気付いたこと
韓国版の原作で気付いたことがあります。
勿論、20年以上前の映画ですから、今では違っているかも知れませんが。
① バイクのノーヘル
韓国の原作では、ヘルメット無しでバイクに乗っています。法律が違うんでしょうか。でも危ないな。
リメイク版では当然ヘルメット着用です。
② 路駐が多い
路上駐車が桁外れに多いようです。確かに専門の駐車違反取締員が必要ですね。
ところで、駐車違反取締員って公的な職業ですかね。と言うのは、駐車違反取締員が乗っている自動車の、左側のブレーキランプが切れていました。公的な職業だとすると、どうなんだろう? 気になりました。
③ 泣き女
葬儀のシーンです。ネットで見ると職業だとのこと。お国柄の違いが出ています。
④ 写真店のフィルムの看板が、フジフイルムとKodak
日本版ではKodakの看板だけですが、韓国版ではフジフイルムの看板も。主人公がボクサーを写す時のカメラはNIKON。日本製が使われています。
韓国には有力なフィルムメーカーやカメラメーカーがなかったようです。
日本版でも河原で友人たちを写すシーンでは、NIKONでしたね。
映画を見ての感想
あくまで私の個人的な感想です。念のため。
全般
見終わって感じたのは、「上手な演出だな」でした。
深刻な、暗くなりがちな内容ですが、静かに淡々と描くことによってラストが生きています。
音楽
山崎まさよしファンなので、主題歌は日本版が好きです。
韓国版の原作では、クラッシックギターの曲が効果的に使われています。
主人公の家族写真を撮るシーンで、Francisco TárregaのLágrima が流れています。昔、練習した曲なのですぐ分かりました。「涙」という意味です。
良い選曲だと思います。
二本の映画で好きなカットは、やはり、ラストシーンかな。ヒロインの表情が良いですね。
最後に
リメイク版の写真店は、富山県高岡市金屋町での撮影だそうです。
ラストシーンで、ヒロインの後ろに金屋町ポケットパークが写っていました。2016年の映画「蜜のあわれ」でも使われています。後ろの建物の外壁が綺麗になっていますね。
この町も風情がありますね。