「金沢の秋を駆け足で」のPart2 です
「金沢の秋を駆け足で」。二回目です。
前回分はこちらです。
一斉に咲き始める桜と違い、紅葉狩りのタイミングは難しく、行って見ることができた場所、かつ、私が個人的に好きな紅葉だけです。
決してランキングではありません。
また、過去の写真もありますので悪しからず。
NTTの出羽町ビルと石引駐車場の間
前回からの続きです。大乗寺坂を目指して歩いてきました。
石川県立歴史博物館を過ぎ、NTTの出羽町ビルと石引駐車場の間を紅葉を見ながら南へ進むと大乗寺坂です。
春は桜の花が迎えてくれる気持ちの良い道です。好きな散歩ルートの一つです。
大乗寺坂
大乗寺坂から眺めると、金沢市南部の市街地と、その後方に山々が広がります。
真っすぐ石川県立工業高校方向へ歩くと、高校の近くに鈴木大拙誕生地記念碑があります。鈴木大拙館からも道なりで150mほど。興味のある方はどうぞ。
鈴木大拙館
歩を進めます。鈴木大拙館が見えてきました。
ここは個人的に好きな場所なので、少し長くなります。
スティーブ・ジョブズ
アップルの創業者、スティーブ・ジョブズは禅に傾倒していたことが知られています。
出典:File:Steve Jobs Headshot 2010-CROP2.jpg - Wikimedia Commons
「禅」を「ZEN」として世界に知らしめたのが鈴木大拙です。そのせいか、日本での知名度より、海外での知名度の方が高いような。
1963年にはノーベル平和賞候補にもなった仏教哲学者です。
みんな悩んで大きくなった
哲学という言葉から、私は「デカルト、カント、ショーペンハウエル」や「ソクラテス、プラトン、ニーチェ、サルトル」といった哲学者の名前を連想します。
決して著作を読んだ、という訳ではなく、「デカンショ節」と、野坂昭如さんの「ソ・ソ・ソクラテスかプラトンか ニ・ニ・ニーチェかサルトルか」のCMから連想しただけです。
現実の世界では、中学生のときに父の蔵書から「世界の名著」シリーズのプラトンを見つけましたが、2ページで閉じました。
鈴木大拙館の紅葉
ここの紅葉は綺麗ですよ。水鏡の庭に紅葉が映えます。
鈴木大拙館
設計者 谷口吉生さんの方針は「鈴木大拙について知り、学び、そして考える」ことだそうですが、展示物に説明がないのは、「自分で考える」ことを促しているのかも知れません。
鈴木大拙館は、トリップアドバイザーの外国人の人気スポットランキングでは常に上位です。新型コロナ前の頃、日本人より外国人の観光客が多かったような記憶があります。実際、入館者の四分の一が外国人観光客だったとのこと。
入り口から続く長く仄暗い内部回廊は、現世から思索の世界へ誘っているようです。
そして、外部回廊を通って思索空間棟へ。
思索空間棟と水鏡の庭。
季節や時間帯によって色んな表情を見せてくれます。
新型コロナ前ですが、外国の方が長時間、じっと水面を見つめていたのが印象に残っています。
西田幾多郎
鈴木大拙および哲学絡みで…。
金沢から20㎞ほど北へ離れた かほく市には、「善の研究」で有名な哲学者、西田幾多郎記念哲学館があります。
鈴木大拙の同級生です。
こちらの設計は安藤忠雄さんですね。
金沢からは ちょっと離れますが、興味のある方は是非どうぞ。
松風閣庭園
鈴木大拙館のすぐ横が松風閣庭園、加賀藩筆頭家老 本多家の庭園です。
大名クラスの家老
加賀藩には、加賀八家と呼ばれる、禄高1万石を超える家老が8人いました。中でも筆頭家老の本多家は5万石の禄高でした。忠臣蔵で有名な浅野家も5万石ですから、城持ち大名(城主=概ね石高3万石以上の大名)クラスの家老です。
何しろ、兼六園作庭時に参考にされたほどの庭園です。
出入口が一ヵ所なので鈴木大拙館近くまでバックして本多公園から金沢21世紀美術館方向へ。
本多公園
ここらは本多町という名称から分かるように、旧本多家の中屋敷跡地です。
松風閣庭園や本多公園は金沢の幹線道路沿いです。街中の道路沿いにこれだけの木々が残っています。
金沢21世紀美術館
金沢21世紀美術館は、金沢大学附属小学校、中学校、幼稚園の跡地に開館した若い施設で、木々も若いものが多い場所です。でも、敷地内に移築した由緒ある茶室の紅葉や、隣の石川県知事公舎との間など、雰囲気の良い場所もあります。
和服姿の観光客もチラホラと。