Hans Potterの日々

映画と音楽、そして食べることが好きなオジサンです。徒然なるままに…

野性の証明 佐藤純彌監督

佐藤純彌監督

訃報

2月18日付の地元紙が、映画監督佐藤純彌さんの訃報を伝えていました。2月9日にお亡くなりになったようです。

佐藤純彌監督の作品

佐藤純彌監督を知ったのは1976年の映画「君よ憤怒の河を渉れ」です。

(余談ですが、「君よ憤怒の河を渉れ」の最後の「渉れ」を最初、読めませんでした。それと「君よ」の後にある「憤怒」。私の年代だとごく普通に「ふんぬ」と読む方が多いと思います。映画は「ふんど」と読ませたので、この読み方で引っかかった人も多かったのではないでしょうか)
その後、1977年の「人間の証明」、1978年の「野性の証明」と大作、話題作のメガホンを連続してとられています。

石川県でのロケ

監督は、1976年の「君よ憤怒の河を渉れ」では、石川県の能登でロケされています。

そのご縁でしょうか、「野性の証明」でも石川県がロケ地となっています。

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野性の証明(出典:映画.com ウエブサイト)

野性の証明 : 作品情報 - 映画.com

映画 野性の証明

金沢ロケ

野性の証明」は金沢でロケはしていますが、東北の羽代市という架空の都市の設定になっています。


野性の証明

そのため、兼六園などの金沢観光の定番スポットは一切登場しません。映画に登場するシーンでは、成巽閣あたりが分かる人がいるかも知れないという程度です。
発端となる大量殺人事件の現場となった村は、石川県小松市の花立町がロケ地だそうですが山奥です。行ったことはありません。
大量殺人事件のただ一人の生き残りとなった薬師丸ひろ子さんが、親戚に連れられて赤い橋に向います。

石川県白山市市原にある大東橋です。映画で橋の後方を電車が走っていますが、廃線になった北陸鉄道金名線の電車ですね。道の駅 瀬女や白山一里野温泉スキー場へ行く道路の近くですが、意識していないと気付かないでしょう。

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映画のシーン

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実際の大東橋

初々しい演技の薬師丸ひろ子さんは、高倉健さんの相手役としてオーディションで選ばれました。「野性の証明」が映画デビュー作です。映画公開時が14歳です。

デビュー作で高倉健さんと共演です。 緊張したでしょうね。今ではすっかりお母さん役が似合うようになりました。
金沢名鉄丸越百貨店(現在のめいてつ・エムザ)付近の空撮がありますが、“東北・羽代市” という字幕がデカデカと…。

“羽代空港民間航空機就航記念” と銘打ってパレードが行われている設定ですが、金沢百万石まつりのパレードです。

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映画のシーン(武蔵ケ辻辺りの空撮とパレード)

三國連太郎さんが扮する悪徳実業家 大場 が、息子役の舘ひろしさんたちとパレードを見物しているのは金沢名鉄丸越百貨店の二階です。

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映画のパレード観覧シーン

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実際のデパート(この二階でのロケでしょうね)

舘ひろしさんは映画デビューして2,3年目です。三國連太郎さんの息子で暴走族のリーダーという役ですが、クールスからの流れですね。
中野良子さんを襲う場面で、舘さん率いる暴走族が走っている商店街は横安江町商店街です。まだ、アーケードがある頃です。

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暴走族が走る映画のシーン

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現在の商店街

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上から見た現在の商店街

昭和50年(1975年)当時の航空写真では、金沢駅の鼓門から武蔵ケ辻へ真っ直ぐ伸びているはずの道路は未開通です。横安江町商店街のアーケードも見えます。

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昭和50年(1975年)の航空写真

暴走族に襲われた中野良子さんを高倉健さんが助ける中橋陸橋はもう高架化となりありません。
怪我をした高倉健さんが入院している病院は、金沢市彦三町がロケ地です。建物が新しくなっていました。横にある彦三緑地など、立派な庭や土塀がある場所です。武家屋敷でしょう。

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映画のシーン

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実際の写真

買物に出かけた高倉健さんと薬師丸ひろ子さんがダンプカーに轢かれそうになる交差点は、真宗大谷派 東本願寺 金沢別院(金沢では東別院と呼んでいます)付近です。道路を挟んだ向かいには金沢名鉄丸越百貨店があります。

ダンプカーが走ってくる道路は当時の面影はありません。映画に写っている看板と名前が同じ看板(一森商店)があるので分かりました。航空写真当時とはかなり変わっていますね。

東別院は改修工事中でしたが、一部シートを外した屋根が綺麗でした。

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映画のシーン。後方に写っている電波塔は取り壊されました

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屋根の工事中です。電波塔はありません

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映画でダンプが走ってくる道路

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現在の同じ場所。同じ名前の看板で分かりました

高倉健さんを大場の手下が車に乗せたのは、金沢市堀川町です。私は知らない建物と場所でしたが、Googleマップで偶然見つけて写真を撮ってきました。

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映画のシーン

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同じ場所の写真

その後、高倉健さんを乗せた黒塗りの外車が入って行くシーンで、三國連太郎さんが扮する悪徳実業家の剣道場(豪邸?)という使われ方をされているのが成巽閣です。

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映画で車が入って行くシーン

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成巽閣の門

成巽閣は、加賀藩藩主 前田齊泰が母親である眞龍院のために作った隠居所です。眞龍院が知ったら怒るかも知れません。

成巽閣は、1961年の映画「ゼロの焦点」にも登場します。当時に比べ、塀が綺麗になりました。

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映画「ゼロの焦点」のシーン

hanspotter.hatenablog.com

 あとがき

以上、佐藤純彌監督のご逝去を知り監督がロケ地に選んだ場所を訪ねてみました。

これらのロケ地は、地元の人間でないと石川県でのロケだとは思わないシーンが多いでしょうね。
映画のストーリーについてはDVDなどでご覧ください。

監督に関連したこと・思いついたことを書きました。突然のご逝去のため、文章などにまとまりもなく、内容についてはご容赦ください。
金沢をロケ地に選んでいただいた監督に感謝です。お悔やみ申し上げます。