秋ですね。
昨日(2022年9月29日)の金沢の日の入りは17時41分。8月29日は18時27分でしたから、一ヵ月で40分以上早くなっています。
夜が長くなり、読書などには良い季節になってきました。
ティファニーで朝食を
ムーン・リバー
昨夜、連れが「ティファニーで朝食を」を観ていました。
オードリー・ヘプバーンが出演した映画では「ローマの休日」より後、「シャレード」と相前後して観た記憶があります。勿論、封切ではなくレンタルビデオですが。
主演がオードリー・ヘプバーン。そして、ヘンリー・マンシーニ作曲の「ムーン・リバー」も名曲です。好きな映画です。
ユニオシの登場
が、オードリー・ヘプバーンと同じアパートに住む日本人(日系人) “ユニオシ” が登場します。
これは、アカン。完全にあきまへん。
メガネ、出っ歯、背が低い、等々。
欧米人のイメージする典型的な日本人のステレオタイプですが、どう贔屓目に見ても人種差別でしょう、これは。
演じたミッキー・ルーニーも、身長5フィート1インチ (約155 ㎝)とのこと。
容姿も然る事乍ら、つんつるてんの寝巻や “ユニオシ” が暮らしている部屋の様子など、日本の文化を全く理解していないとしか思えない描き方です。
トルーマン・カポーティの原作
トルーマン・カポーティの原作には、“ジャップ” という差別語は出てくるものの、こんなに酷い人物像ではないとのこと(※カポーティの小説で読んだのは「冷血」だけで、「ティファニーで朝食を」は未読です。悪しからず)。
カポーティ自身も小柄だったそうですから、映画の “ユニオシ” のような設定にはしないでしょうね。
映画化した際の監督の脚色?
終戦後16年、1961年公開の映画です。「Made in Japan」=「安かろう悪かろう」=「品質が悪いことの代名詞」の時代の映画です。
余談ですが、映画「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」は中々興味深い内容でした。
映画に登場する日本
ということで、「ティファニーで朝食を」の “ユニオシ” から始まった今回は、映画に登場する日本についてのブログです。
が、記憶の鮮明な最近観た映画、「ミスター・ベースボール(Mr. Baseball)」が中心となります。悪しからず。
ミスター・ベースボール(Mr. Baseball)
最近観た1992年の映画「ミスター・ベースボール(Mr. Baseball)」。
高倉健さんが出演しているとの理由で観た映画ですが、日米の野球の違いや、文化そのものの違いなど、面白い内容でした。
ニューヨーク・ヤンキース所属の現役大リーガーが中日ドラゴンズへ移籍することになり、日本へ到着してからのアレコレを描いた映画です。
日本の空港に到着早々の記者会見では、日本に対する主人公の正直な感想が口から出ます。
小さな人間が早口で…
YEN
“Yen(熱望)に惹かれた” という皮肉たっぷりの回答。私の英語力では “Yen=円” のみでした。
スワロウテイル Swallowtail Butterfly ~あいのうた~
そう言えば、1996年の映画「スワロウテイル」の「Yen Town Band」。
"円" が世界で一番強かった時代という設定に通じるものが。
「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」。懐かしい。
ベースボールと野球
話を戻します。
製作者は、日米の野球文化の違いに違和感があるようで、練習のやり方、鐘や太鼓を使っての応援、試合に引き分けがあること、そして送りバントなど、ベースボールと野球の違いが描かれていました。
野茂英雄さんのドジャース入団の3年前、イチローさんがメジャーデビューする9年前、今(2022年)から30年前、1992年の映画です。
日米の文化の違い
日本到着直後、球団お偉方と握手ではなくお辞儀を交わす場面、そして名刺を差し出すお偉方たちにトレーディングカードを配るシーンから始まり、
日本の家の狭さ、
靴を脱ぐ習慣、トイレ、入浴方法、食事、
等々、文化そのものの違いが数多く登場しますが、徐々に異文化を受け入れていくという内容でしたから、納得できる描かれ方=製作者が日本の文化を理解して脚本を書いている印象でした。
ヌードルハラスメント
映画では、球場での割りばしでの食事風景を始めとして、麺を啜るシーンが頻繁に出てきます。
欧米人には啜るという文化がないためか、所謂、ヌードルハラスメントに通ずるシーンが度々登場します。
そういえば、映画「ブラックレイン」でも高倉健さんとマイケル・ダグラスがうどんを食べるシーンで、マイケル・ダグラスが箸を使ってぎこちなく食べていました。
一時期、麺類を啜ることに関してヌードルハラスメントなる言葉が取り上げられました。それに一部の日本人が過剰反応して話題になったことがありましたね。
日本の文化ですし、日本で食べている分なら啜るのが当たり前では、と個人的には考えています。
ヌードルハラスメントはブログでも話題にしたことがあります。
高倉健さんも登場
ナゴヤ球場も登場しますし、ドラゴンズの監督を演じている高倉健さんが、まさに星野仙一さんです。ドラゴンズファンには興味深い映画かも。
尚、映画には懐かしいレオン・リーやアニマル・レスリーのほか、日本人を含めた元プロ野球選手が出演しています。
ロスト・イン・トランスレーション
以前のブログに登場した「ロスト・イン・トランスレーション」。
この映画でも日本や日本人の描き方に違和感を覚える方がいるようです。私もビル・マーレイがタクシーから眺めている、やけに毳毳しく強調された新宿のネオンサイン、そして最初のホテルのシーンなどで違和感がありましたが、観ている内に霧消しました。
初めて訪れた外国で、私たち日本人が「?」と感じるのと同じようなものだと思います。
007は二度死ぬ
日本が登場する映画と言えば、1967年の「007は二度死ぬ」。
相撲のシーンや、半世紀以上前の銀座の風景などが登場します。
浅草のツルヤ鼈甲店前。
喫茶モンブランの看板が懐かしい。
日本人からすると、時代錯誤の大袈裟なシーンや荒唐無稽な演出がとても多い映画ですが、日本を舞台にした ”娯楽活劇” だと割り切って観れば、半世紀以上前の日本の風景などを懐かしく楽しめる映画です。
映画の後半、敵の基地近くに潜入するため、地元の日本人女性(浜美枝さん)と偽装結婚します。
そのため初代ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーが、瞼を一重にしたり、胸毛などを脱毛したり、等々で日本人に変装。
変装後のジェームズ・ボンド。えっ、これで日本人………。
日本人ボンドガールの浜美枝さん、綺麗です。それと食卓の上の赤玉ポートワインが懐かしい。
ディズニー映画でも
まぁ、いろいろ書いてきましたが、ディズニーのアニメに登場する人物も、所謂、ステレオタイプが多いようです。例えば1998年の「ムーラン」。
逆に日本人が外国の方を描いた映画やアニメを海外の方はどう受け止めているのでしょうかね。
以上、あくまで私が最近観た映画から書きました。