映画と音楽
当初は映写機の雑音隠し
無声映画時代、映写機の大きな機械音を誤魔化すため、上映時にピアノの演奏が必要だったと言います。
それが進化、発展し、いつの間にかシアターオルガンとして映画のBGMや効果音までこなすようになってから一世紀余り。
映画において音楽は重要な役割を果たしています。
映画で思い出した音楽の話
一年以上前に「映画で思い出した音楽の話」という題でカントリーミュージックについて書いています。
過去にも映画音楽については何度か取り上げています。
など。
映画と音楽、そして食べることが好きなオジサンですから、当たり前と言えば当たり前ですが。
今回も映画やスカーレット・ヨハンソンの話からスタートしますが音楽の話も続きます。
尚、音楽はジャンルに関係なく聴くタイプですので。
ロスト・イン・トランスレーション
ソフィア・コッポラ監督
久しぶりに「ロスト・イン・トランスレーション」を観ました。
映画のタイトルで「はっぴいえんど」ファンはピンとくると思います。
ソフィア・コッポラ監督が脚光を浴びた作品です。
原題の「Lost In Translation」。
英語圏での公開時、日本語の台詞には意図的に字幕を付けなかったそうですが、映画の内容は言語の違いによるすれ違いだけではありません。
例えば、夫とのすれ違いを感じているスカーレット・ヨハンソンが東京や京都を一人で彷徨うシーン。
見慣れた街並みが映し出されたので、思わず雑踏の中に20年前の自分を探してしまいました(笑)
結婚式を挙げたばかりの夫婦を見たスカーレット・ヨハンソンがおみくじを…。
上手な演出とカメラワークだと思います。
ほかにも色んなすれ違いが描かれています。
未だの方は一度ご覧になって確認を。
スカーレット・ヨハンソン
Lost In Translation
主演女優のスカーレット・ヨハンソン。
Wikipediaに拠れば、1984年11月生まれですから、映画が公開された2003年当時、18,9歳です。とても十代には見えません。
37歳の現在(2022年4月現在)と変わらない………かな。
流石、世界で最も稼ぐ女優の一人。
同じ2003年12月には「真珠の耳飾りの少女」も公開されています。
真珠の耳飾りの少女
私が映画を観た順序は「真珠の耳飾りの少女」⇒「ロスト・イン・トランスレーション」です。
日本での公開は、2004年の4月10日と4月17日で「真珠の耳飾りの少女」が早かったようですね。
「真珠の耳飾りの少女」では、とても透明感のある女優さん、という印象でした。
もちろん「ロスト・イン・トランスレーション」と同じ年に公開された映画ですから18,9歳です。「真珠の耳飾りの少女」の方が実年齢に近く見えるかな。
2010年公開の「英国王のスピーチ」、2015年公開の「キングスマン」を並べると月日の流れを感じます。
風をあつめて
「ロスト・イン・トランスレーション」で嬉しかったのは、「はっぴいえんど」の「風をあつめて」が使われていたことです。
スカーレット・ヨハンソンとビル・マーレイが寄り添っているのは、さっきまでカラオケに興じていたカラオケルーム前の廊下。室内で唄っている「風をあつめて」が廊下に漏れ聞こえてきます。
えっ、それだけ!?
ではありません。
エンドロールでいろんな曲が流れますが、トリが「風をあつめて」。
原曲が2分ほど。
「風街ろまん」のレコードで確認すると「3′50″」。エンドロールで原曲の半分ほどの尺を取っています。
「碇泊してるのが見えたんです それで ぼくも 風をあつめて…」辺りまで使われていました。初めて聴いた(観た)時、嬉しかったな。
松本隆さんの歌詞と、「ロスト・イン・トランスレーション」でのスカーレット・ヨハンソンの役どころがとても合っているように感じます。
改めて「風をあつめて」を。
「はっぴいえんど」。私が東京で暮らし始めた頃そのままの世界です。
レコードも買いましたが、当時は貸し借りが当たり前の時代。また貸しする輩も多く、「はっぴいえんど」のレコードを含めて行方不明になったもの数知れず。現在保有している「風街ろまん」は二代目です。
蛇足ですが、エンドロールのローマ字表記の「Happy End」。味気ないこと。
カタカナじゃなく、ひらがなの「はっぴいえんど」というネーミングの良さ、ニュアンスがローマ字表記では伝わりません。
改めて「はっぴいえんど」という名前を噛みしめました。
おまけ
以前、テレビドラマ「深夜食堂」を初めて観た時にオープニングシーンに既視感。
そうだ、「ロスト・イン・トランスレーション」の最初の方、ビル・マーレイがタクシーに乗っているシーンだ。
今回は以上です。