桜を待ち侘びて
一ヵ月前の2月20日は6時36分、二ヵ月前の1月20日は7時3分でしたから、二ヵ月で一時間以上日の出が早くなりました。
ただ、この二、三日、彼岸の入りから寒の戻りで急に寒くなっています。
桜が待ち遠しい…。
前置きが長くなりましたが、桜の開花ももうすぐですね。
桜餅
桜の開花を待ち侘びて、和菓子屋さんには桜餅が出揃っています。
桜餅の二大勢力
クレープのような小麦粉生地の関東風 長命寺と、
もち米から作る道明寺粉を蒸して包む関西風 道明寺が、桜餅の二大勢力です。
桜餅の全国分布図
ネットで見つけた分布図です。
全国的には道明寺派が多いようですね。
桜餅の記憶
金沢の桜餅は長命寺
現在の金沢では、長命寺に加え道明寺もありますが、私が若い頃(半世紀前です)の金沢市内では長命寺が一般的でした。
拡大して赤く囲みました。
金沢で暮していた高校時代まで、桜餅は長命寺だけでした…私の記憶では…確か…。
当時は、世間一般の大部分の若者と同様、魚より肉、和菓子より洋菓子が好きな若きHans Potterでしたので、桜餅は親の世代が食べるものでした。
若きHans Potterは、巻いてある桜の葉っぱが苦手でしたね。
因みに、花見でよく見ているソメイヨシノの葉ではなく、オオシマザクラの葉だそうです。
東京へ(大学生時代)
大学で東京へ行った後、社会人になるまで桜餅とは疎遠でした。花より団子、より酒でした。
東京へ(社会人時代)
会社の花見(当時は、新年会から始まり、花見、社員旅行、紅葉狩り、忘年会、そして時には海水浴等々、会社の行事が目白押しでした。今なら大ブーイングでしょうね)。
そんな東京の花見でお目にかかった桜餅は長命寺。金沢と同じで違和感はなし。尤も、依然として、花より団子より酒の私でしたが。
長命寺桜もち
東京で最後に住んでいたのが浅草。
長命寺桜もち。桜餅を買いに行くのには丁度良い散歩コースでした。
このお店では、「桜葉は、お餅の香りづけと乾燥を防ぐためにつけてあります。」と、葉をはずして味わうことを推奨していますね。個人的には私も同じです。
大阪へ(社会人時代)
大阪へ転勤して初めての花見。
「ん?桜餅?」 道明寺との初めての出会いでした。
依然として、花より団子より酒の時代です。
金沢の桜餅
そして金沢へ。年齢を重ねて桜餅の美味しさが分かるようになっていました。
和菓子行脚
CAの選択 月よみ山路
軽い糖尿病、そしてやや肥満気味の身体を気遣って、洋菓子より和菓子を選ぶことが多くなっています。
脂質が少なくカロリーが低め。そして餡には食物繊維が多く含まれている。
そんな和菓子を好むようになってきたのは、ある意味、月よみ山路をチョイスしたCAさんと共通点がありますね。
圓八のあんころ餅
それと、小さい頃から大好きだった松任の圓八のあんころ餅。
今でもよく食べます。
そんな私の桜餅行脚です。
では金沢市内の桜餅を駆け足で。
尚、個々人の趣味嗜好に関しては、三者三様、十人十色、百人百様、千差万別・・・ですので、美味しい、不味いの味覚には触れません。そのお店に関係したことを少しだけ。
また、今月(3月)になってから昨日(3月19日)までに食した桜餅ですので、お店も限定的です。写真も個別に撮ったものもあれば、他のお菓子との集合写真もあります。あしからず。
谷屋
野町の谷屋さん。
子供が買ってきた氷室まんじゅうで、このお店を知りました。特に塩氷室が好きです。
桜餅は、長命寺、道明寺、両方ともショーケースに並んでいます。長命寺は円筒型。
戸水屋
寺町の戸水屋さん。
ワイルドなおはぎを求めて訪れたのが最初でした。
道明寺と花見団子も一緒にパチリ。
越山甘清堂
越山甘清堂さん。
安産祈願の ころころ餅など、お餅でも何度か利用しています。
二つ折りの長命寺をいただきました。
美福
美福さん。
お店へは行ったことがありませんが、連れがデパートで買ってきた長命寺と道明寺。
道明寺に葉っぱが巻いてありません。刻んだ葉が餅の中に。写真の撮り方が下手なので、アップにするとおにぎりにも見えます。申し訳ない。
中田屋
中田屋さん。
きんつばで有名なお店です。
春の きんつば(さくら)を買いに出かけました。
店で見つけた長命寺を一緒に購入。横に並んでいた さくらちゃんという最中も。
さくらちゃんは、新春を寿ぐ福梅ならぬ春の訪れを愛でる福桜ですね。梅の花が桜の花へと変化し、餡も春仕様でした。
森八
森八さん。
日本三大銘菓とも言われる「長生殿」が有名です。
テレビドラマ「水戸黄門」や、古くは(本当に古くは)「てなもんや三度笠」でも名前が使われた老舗です。
円筒型の長命寺を購入。
柴舟小出
柴舟小出さん。
店名にもある柴舟が有名です。
二つ折りの長命寺を購入しました。
うら田(浦田甘陽堂)
うら田(浦田甘陽堂)さん。
道明寺と花見団子を購入。
道明寺は白と桜色の二種類ありました。つぶ餡とこし餡です。
尚、長命寺も三月下旬から登場するようです。
うら田さんに限らず、時間差で二種類が並ぶお店もあると思います。詳細は各店の店頭やHPでご確認を。
あとがき
ある職人さん(長命寺、道明寺とも経験のある方)からお聞きした話です。
「あくまで私(その職人さん)個人の考えですが」と前置きされて、「長命寺と道明寺の二種類だと、皮をクレープ状に焼くのが難しい長命寺が職人泣かせです。」とのことでした。
春です。
“あんずよ
花着け
地ぞ早やに輝やけ
あんずよ花着け
(出典:室生犀星 「抒情小曲集」)
では、また。