映画と原作
前回から、映画と手許にある小説(原作)について綴っています。
今回の主役は………。
俳優 ライアン・オニール
一週間前(2023年12月8日)、米国の俳優 ライアン・オニールさんが亡くなりました。82歳とのこと。
ペーパー・ムーン
父娘で共演した1973年の映画「ペーパー・ムーン」。
幼かった娘のテータム・オニールが今年60歳ですから50年の歳月を感じます。
バリー・リンドン
1975年公開のスタンリー・キューブリック監督「バリー・リンドン」は記憶に鮮明に残っています。
ある愛の詩
前置きが長くなりました。
映画化された小説。
今回の主役は、古い、一冊のペーパーバックです。
ライアン・オニールさんが出演し大ヒットした1970年の映画「ある愛の詩」の原作「LOVE STORY」です。
小説「LOVE STORY」
本の表紙に映画のワンシーンが印刷してあるので ”原作” と書きましたが、Wikipediaなどに拠ると映画化と小説が同時進行で、映画の脚本を基に小説を執筆した部分もあるとのこと。
映画を改めて観ると台詞はほとんど同じ。
小説の著者エリック・シーガルが映画の脚本を手掛けていますから当たり前と言えば当たり前ですが。
小説も映画も大ヒット
小説の発売を先行(初版発行:1970年2月)。ベストセラーとなりました。
先ほどの本の上部を拡大しましたが、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストで9ヵ月以上1位だったようです。
もっとも、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストは、
”フィクション、ノンフィクション、ハードカバー、ペーパーバックなど様々なジャンルに分類されている”(出典:Wikipedea)
ようですから、どのジャンルだったのかは…。
ニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト - Wikipedia
小説に遅れること10ヵ月。
1970年12月16日に公開された映画も、
”製作費 $2,200,000に対し、興行収入が$106,550,690”(出典:Wikipedea)
の大ヒット(50年以上前の金額ですよ)。
” 原作と映画の「メディアミックス」の成功例”(出典:Wikipedea)
だそうです。
1970年の北米興行収入ランキングの1位です。
映画「ある愛の詩」
文武両道の名家の御曹司と、モーツァルトとバッハとビートルズが好きな女子大生の ”こてこて” の純愛物語
2023年の今から半世紀以上前の映画ですから知らない方も多いと思いますので、あらすじを少し。
ハーバード大学に通う名家の御曹司オリバー(ライアン・オニール)と、モーツァルトとバッハとビートルズが好きなラドクリフ・カレッジの女子大生 ジェニー(アリ・マッグロー)の純愛物語です。
アイビー・リーグの坊ちゃんとセブン・シスターズのイタリア系移民の娘の「LOVR STORY」です。
家柄の違いを乗り越えて結婚した二人。オリバーが弁護士事務所で働き始め、これからという時に………。
50年以上前の映画です。私はレンタルで観ました。
当初、”こてこて” のお涙頂戴物の映画製作には疑問符が多かったらしいのですが大々ヒット。
当時のアメリカはベトナム戦争の真っただ中。厭戦の空気が色濃く漂っていた時代だったのが純愛映画がヒットした要因とも。
映画を再視聴しました
始まり
映画はオリバーの独白で始まります。小説の最初と同じですね。
エンディング「愛とは決して後悔しないこと」
ジェニーが亡くなり、病院へ来たオリバーの父親がジェニーの死を知ってお悔みの ”I'm sorry” 。
このときに、あの有名な台詞(名訳です)「愛とは決して後悔しないこと(Love means never having to say you’re sorry.)」が登場します。
因みに、この有名な台詞は物語の中盤に登場しています。
ジェニーと喧嘩したオリバーが、アパート前の階段で鍵を忘れて凍えていたジェニーに ”I'm sorry-” と謝ったときのジェニーの言葉です。
オリバーはその言葉を父へと。
悲しみのループ
ここからが映画独自になりますが、オリバーが思い出のスケートリンクへ行きエンドロール。
そして、そのスケートリンクの場面が映画の最初のシーン………悲しみのループです。
アカデミー作曲賞を受賞したフランシス・レイのテーマが涙を誘います。
フランシス・レイ
フランシス・レイ。映画館やレンタルビデオでよく耳にしました。
本作を始め、「男と女」、「白い恋人たち」等々。
雪のある風景
冒頭、ラストを含め、雪のシーンが多く使われています。
”お尻が冷たいだろうな” と思うシーンもありますが。
トミー・リー・ジョーンズ
映画を改めて観て気付いたのは、半世紀前のトミー・リー・ジョーンズが出ていることです。
1946年生まれですから1970年の映画公開時は24歳です。
ペーパーバックの思い出
「LOVE STORY」の初版発行は1970年2月。
初版本はハードカバーでしょうね。
ペーパーバックを私が購入したのは、初版発行の10年後、1980年だったと思います。
初代ウォークマンとFENとニューズウィーク
在日米軍向けのラジオ放送 ”FEN(Far East Network)” を録音して、前年発売されたばかりのウォークマンで ”FEN” を聴きながら通勤する後輩がいました。
ニューズウィークを購読しており、「〇〇さんも読んだらどうです? 勉強になりますよ(注:〇〇さんは私です)」と購読申込のハガキまで。
ハガキは栞代わりとして挟んだままでした(笑)
そんな後輩に対抗するために、本書を含めゴルフのレッスン書まで買って見栄を張っていた若きHansです
ゴルフは始めていたので趣味(ゴルフ)と実益(見栄)を兼ねた購入ではありますが。
と、今回は「LOVE STORY」、「ある愛の詩」で甦った思い出でした。