何かと気忙しい年の瀬ですが、もうすぐ正月です。
今日はクリスマスですが、一足早く金沢市の正月ネタ(鏡餅、正月のお菓子、蒲鉾、正月の遊び)について少し。
鏡餅
一般的な鏡餅
金沢の正月で一番特徴のあるのは鏡餅でしょうね。
鏡餅の縁起物、橙や串柿、裏白、昆布などの飾り方に違いはあっても、普通、鏡餅と言えば写真のような白と白の二段重ねを思い浮かべるのではないでしょうか。
金沢は紅白の鏡餅です
ところが金沢の鏡餅は紅白です。“紅”といっても薄いピンク色ですが。
紅白鏡餅 - 金澤の味と心 越山甘清堂 (kanazawamiyage.jp)
大学生になり初めて東京へ行くまで紅白の鏡餅が当たり前でした。
目出度い正月。慶事に紅白の鏡餅は至極当然、と今でも思っています。
全国展開企業も金沢仕様
簡略化した鏡餅を販売している新潟県の企業も、金沢では紅白仕様の鏡餅を販売しています。
丸餅個装入 紅白20号 | お鏡もち | | 越後製菓OnlineShop (echigoseika.com)
紅白の鏡餅は女性への思いやり?!
どうして紅白
社会人になってから、金沢の鏡餅が紅白だと知った上司や同僚から紅白の理由を聞かれましたが、はっきりした由来を知らなかった私は、
「日頃女性は忙しいから、正月くらいはユックリと休みなさい、という意味で紅白の紅が上になったらしいです。」と適当に答えていました。
もっともらしい説明だったのか、かなりの確率で納得されていたような…。
紅白の鏡餅の由来
紅白の鏡餅となった由来は諸説あるようです。
下記のサイトに詳しく記載されていました。
フォーチュンクッキー
福梅と福徳
金沢の正月のお菓子としては、「福梅」、「福徳(ふっとく)」そして「辻占(つじうら)」を思い出します。
いずれも藩政期、加賀藩のころからの伝統菓子です。
如何にも新年を寿ぐ目出度い名前が付いています。これらを頂くと新しい年になったことを実感します。
以下、子供のころの思い出です。
「福梅」は梅の形(前田家の家紋とも菅公の紋とも)をした紅白の最中に餡が入っています。子供の頃に食べていた福梅がどこの菓子店のものだったかは覚えていませんが、個人的には甘い餡が苦手でした。
「福徳(ふっとく)」は見ることが少なくなっていますが、縁起の良い福俵や打出の小槌をかたどった最中の皮の中に、土人形の狛犬などや可愛い金花糖(砂糖菓子)が入っています。中に何が入っていたかで一喜一憂した記憶があります。
食べもしないのに次々と開けて叱られた思い出も。
辻占 フォーチュンクッキー
「辻占」は砂糖菓子の中に「おみくじ」が入っています。子供にはあまり意味のないことが書いてある「おみくじ」ですが、これも食べもしないのに砂糖菓子を沢山開けて叱られたような…。
辻占 森八 オンラインショップ (morihachi-shop.com)
AKB48「恋するフォーチュンクッキー」
もう10年ほど昔になったAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」ですが、Wikiによれば
“日本の江戸時代の菓子が移民によってアメリカに持ち込まれたとする説が有力”
とあり、フォーチュンクッキーの元祖とも…。
正月の時期に金沢へ来られたら、一度どうぞ。
板に付いていない蒲鉾
一般的な蒲鉾
お節料理に欠かせない紅白の蒲鉾。この蒲鉾にも地域の特徴が現れています。
小田原の鈴廣の蒲鉾を頂くようになってからは慣れましたが、大学で初めて東京へ行ったときには「都会の蒲鉾には板が付いている」とビックリした記憶があります。
板がない蒲鉾
金沢というより富山の蒲鉾には、蒲鉾に付き物の “板” がありません。
ある程度の年齢以上の方は蒲鉾を “はべん” と呼んでいますので、旅行者は「?」マークとなるか、「はんぺん」と間違えるかも知れません。
板がない蒲鉾に、どこか違和感を覚えている観光客もいるのではないでしょうか。
大臣賞受賞 富山かまぼこの代表格「赤巻」「昆布巻」|梅かまブログ (umekama.com)
小田原の弾力のある蒲鉾も好きですし、富山の蒲鉾、特に昆布で巻いてある蒲鉾も好きです。
富山の昆布文化 昆布〆
昆布巻の蒲鉾でも分かりますが、北前船で北海道から昆布が運ばれた富山は、昆布の消費量が多いので有名です。
そのため富山の昆布文化は豊かで昆布で巻いた魚、昆布〆はとても美味しい。私の大好物です。ただでさえ美味しい魚が昆布で巻くことで…。あぁ、垂涎!!
旅行に来たときは冬の北陸の食文化を楽しんでください。
正月の遊び チンチンカモカモ
最後に懐かしい正月の遊びです。
♪もういくつねると お正月
お正月には 凧(たこ)あげて
こまをまわして 遊びましょう
はやく来い来い お正月(^^♪
雪国の金沢です。凧揚げやコマ回しは中々。室内での遊びが多かったようです。
旗源平
金沢の正月遊びに「旗源平」があります。名前のとおり、源氏と平家に分かれて相手方の旗(小旗10本、中旗5本、大旗1本)を取り合い、最後に相手の纏(まとい)を取った方が勝ちとなる遊びです。二個のサイコロを振り、出た目により相手のどの旗を何本取れるかが決まっています。
旗源平の遊び方について興味のある方は下記のサイトをどうぞ。
サイコロの出目で勝負
特徴的なのは二個のサイコロの出た目の呼び方で、一番覚えやすいのは1のゾロ目の「チンチンカモカモ」でしょう。文字で見ても面白いのですが、全員で唱えますので、聞くとインパクトがありますよ。
後、耳に残るものとしては、2と3で「ニサマノカンカンド」、4と3で「シサマノカンカンド」、5と3で「ゴサマノカンカンド」があります。相手の旗は取れません。「はずれ」「スカ」ですが、「はずれ」五つのうちの三つが「3」絡みです。今なら「3」に対する差別ですね。
次のサイトにサイコロの出目の一覧表があります。
旗源平(はたげんぺい)さいころの目による旗のやりとりの表2(行列型) (sakane.net)
最近では他の遊びが主で、この遊びを見ることはほとんどありません。
もっとも、私の年代でも小学校低学年のときに地区の公民館で「昔の遊び」として見たのが最後ですから…。
以上、金沢の正月について粗々と。