ここ二ヵ月、大河ドラマ「光る君へ」関連のブログが続きました。
今月も「源氏物語」に関連しますが、今回で終了の予定です。
愛と嫉妬の能「葵上」
NHK Eテレの芸能きわみ堂で、「大河ドラマ『光る君へ』連動企画!愛と嫉妬の能『葵上』(後編)」を視聴しました。
金沢の男性なら嗜んでいる(いた)謡の話題なので、興味深く。
能「葵上」
能の「葵上」。
「源氏物語」全 54 帖の九番目「葵」を題材としています。
そうだ、父の謡本の中にもあるかも………………ありました。
能楽 in 金沢
横道へ逸れます。
徳川幕府が、能を武家の式楽と定めたため、幕府から睨まれている最大の外様大名の加賀藩でも保護・育成を図ると共に庶民にも奨励しました。
加賀の女
歌詞の「謡曲(うた)がふるふる」とは、空から謡が降ってくる=頭上から謡が聞こえる=植木職人も謡を嗜んでいるので剪定中の木の上で謡うという意味で、それだけ広く謡が浸透していることを表しています。
高砂や~
かつては結婚式では必ずと言っていいほど ♫高砂や~この浦舟に帆を上げて~(^^♪ と「高砂」の待謡が謡われていました。
一人が謡うとニ、三人が合わせるという光景が当たり前でした。
夫婦愛と長寿、そして人生を寿ぐ大変めでたい謡曲で、祝言の懐かしい風景です。
父の謡本の中にも勿論あります。
父の謡本
能楽はユネスコの無形文化遺産に登録され、「加賀宝生」は金沢の無形文化財に指定されています。
そんな能楽が盛んな(盛んだった)金沢です。男性にとっては謡の嗜みは教養として必要だったのでしょう。
戦時中に家族を病気で亡くし、天涯孤独となって帰還した父の遺品に謡本や見台があります。
寂しさ、悲しさを紛らわすために謡の稽古に励んでいたのでしょう。
石川県立能楽堂
金沢では能に関する知識の習得は幼い頃から始まります。小学生の頃には狂言の鑑賞が必須でした。
小学生のHansの鑑賞時にはポピュラーな演目「附子」でした 。太郎冠者、次郎冠者の世界です。
当時、能楽堂は現在の金沢市役所第二本庁舎辺りにあったと記憶しています。
確か、プラネタリウムも近くにあったはず。
この市役所庁舎の後ろの金沢市役所第二本庁舎辺りに能楽堂があった……はず。
現在の能楽堂。
以前、見学させていただきました。
とても親切に案内、説明していただき、通常の本舞台や橋掛がりだけでなく、揚幕の後ろ、鏡の間や控室など、貴重な経験です。
源氏物語「葵」
話を戻します。
有名な、六条御息所と葵上の車争い(牛車の当て合い)、そして生霊。
ご存知の方が多いとは思いますが、粗々のストーリーを。
賀茂祭
六条御息所は、賀茂祭(葵祭)での光源氏の晴れ姿を見ようと、身分を隠して出かけます。
車争い
そして、光源氏の正妻 葵上の牛車と見物の場所争い(車争い)となり恥をかきます。
怨嗟、そして…
この車争いでの出来事は、
そして、六条御息所は生霊となって葵上を……。
牛車、十本
牛車の車争い。
古文の授業で先生が「牛車は『ぎっしゃ』と読みます。『ぎゅうしゃ』じゃないからね。因みに十本は『じっぽん』。近頃『じゅっぽん』と言う人が多くて」と。
NHKのWEBサイトをご参考までに。
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/kotobax3/pdf/024.pdf
と、また横道に逸れてしまい、肝心の「葵上」にまで辿り着けませんでした。
次回、もう一回だけ続きます。