観光公害!?
食べ歩き
「食べ歩き」と書くと、美味しい店や名物を順繰りに食べ歩くことだと誤解されそうなので、以降、「歩き食い」という単語にします。
錦市場 歩き食い ポイ捨て
地元紙に京都の錦市場の記事が載っていました。
観光客の「歩き食い」で、ゴミのポイ捨てなどの弊害が表面化しているようです。
しかしながら、錦市場では「遠慮」を呼びかける程度に止め、観光客の需要に水を差さないようにしているとのこと。
「地元 京都の方がバスにも乗れない。観光公害だ」との記事も目にしたことがあります。
お行儀が悪いわ
NHK まんぷく
NHKの朝ドラ「まんぷく」で、まんぷくヌードルの販売にあたり、松坂慶子さん演ずる鈴さんが、「立ち食いなんて、お行儀悪い」と言っていました。
昭和46年(1971年)に初めて上京しましたが、マックの一号店が銀座に開店し、カップヌードルが新発売された年です。朝ドラと同時進行の時期に東京にいました。
朝ドラで描かれたような、ホコ天(歩行者天国)でのカップヌードル歩き食いは一時的なものでしたが、マックに関してはイートインスペースが無いか、もしくは狭かったためか、歩き食いしている人の記憶が強く残っています。ドライブスルーはない時代でしたから。
私の親も、「まんぷく」の鈴さんと同じでした。「立ち食い」は「みっともない」と何度も注意されました。
立ち食い
勿論、立ち食い蕎麦の文化もある日本です。今思えば「立ち食い」ではなく、食べながら歩く「歩き食い」のことを戒めていたのだと気付きました。
決まった場所で「立ち食い」するのであれば、食べた後の容器なども返却できますし、ゴミ箱も備え付けてあるでしょう。
歩き食い
ところが「歩き食い」ではそうはいきません。
食べ終わった後、包装紙や容器などのゴミを捨てる人もいるでしょうし、他の人の服を汚したり串焼きの串で傷つけたりすることもあるでしょう。
小さいお子さんの行動は親が責任を!!
特にお子さんの「歩き食い」では、危険性が高まると思います。
狭い通路での歩き食い、特にお子さんの歩き食いはハラハラ・ドキドキします。
実際、お子さんの持ったソフトクリームが溶けて、歩いてきた方の靴にベチャッと落ちたのを目撃したことがあります。
親御さんと言えば…。自分たちの試食に夢中で、お子さんは眼中にないようです………。
もっとも、コロッケの入った袋から、コロッケの衣をポロポロこぼしながら歩いている若いカップルもいましたので、一概に子供だけとは言えませんが…。
日本人らしい戒め
そういった「他人へ迷惑をかける行為」に対し、日本人は「お行儀が悪い」「みっともない」と言った言葉で婉曲に戒めていたのでしょう。
金沢21世紀美術館で目撃したモンスターペアレント
少し話はそれますが、金沢21世紀美術館で実際に私が複数回目撃したことです。
現代美術館とは言っても、遊園地じゃありませんから小さなお子さん(私見ですが、未就学児、それと小学校低学年もかな)は退屈すると思います。
退屈したお子さんは、走り回ったり、大声を出したり、展示物に触りそうになったり…。
横で見ているこっちがハラハラ・ドキドキ、そしてイライラしてしまいます。
親御さんは、遠くから「〇〇ちゃん、危ないよ」「〇〇ちゃん、よそのおじさんに叱られるよ」と他人事。ソフトクリームの「歩き食い」と同じパターンです。
こういった親御さんに限って、お子さんが注意されると(相手が子供ですから「走らないでね」との声掛け程度でしたが……)、烈火のごとく係員に食って掛かります。
余りにも女性係員が可哀想なので私が間に入ったことがありますが、胸倉を掴まれそうになりました。お子さんの行動は親御さんが責任を持ってくださいね。
金沢21世紀美術館の屋外展示には、お子さんが遊べる展示物が沢山あります。お子さんが大切ならば、どうぞ屋外でお子さんをユックリ遊ばせてください。
鎌倉での条例化
同じく観光地の鎌倉では、食べ歩きや危険な場所での撮影などを「迷惑行為」と定め、観光客らにマナーの向上を呼びかける新たな条例が、今年の4月から施行されています。
京都、鎌倉とも、勿論、賛否両論のようですが、共通しているのは、売る側である商店に、歩き食いを禁止することを反対する声が多いようです。極めて当然ですね。
ただ、観光客用の商品を売っていない商店もありますので、売る側の意見も統一されていないようです。
近江町市場
北陸新幹線の開業
金沢に近江町市場があります。
ブラタモリでも取り上げられていましたが、金沢21世紀美術館や兼六園と並んで、金沢を代表する観光スポットの一つです。
ここも京都や鎌倉と同じような状況で、北陸新幹線開業後は特に酷くなっているようです。
市場の現状
近江町市場も、京都における錦市場と同じ立ち位置です。昔から “金沢の台所” ですが、北陸新幹線開業後は「台所でした」と過去形になりつつあります。京都の錦市場と全く同じような悩みを抱えています。
私の個人的な意見ですが、北陸新幹線の開業を千載一遇の好機ととらえ、価格設定を含めた営業方針を転換した店が一部にあります。そのせいか、市場の店先や通路での飲食など、従来あまり見られなかった行為が目立ってきました。
(尚、写真とブログの内容は関係ありません。念のため)
市民の選択は
そのため店先や狭い通路が混雑し、市場本来の形である対面販売が難しくなっているようです。そういった店へは地元の金沢市民の足は遠のいているように思います。
勿論、昔ながらの姿勢を貫いている店も多く、私の連れのように、例え混んでいても「刺身は近江町市場」と決めている市民もまだ大勢います。
商売ですから儲けるのは当たり前ですが…
観光立県を標榜している石川県ですから、観光客をターゲットとした対応は商売としては当然の流れかも知れません。
ただ、観光客相手の商売を優先すると…。
先般、久しぶりに大阪を訪れました。道頓堀へ行ってビックリ。
外国人観光客がとても目立ちます。そのためか、喧騒とゴミ、そして無秩序が道頓堀を支配し、何処の国か分からないような街となっていました。
一市民の願い
近江町市場の一部に、特に価格で評判の悪いお店があることは事実のようです。
近江町市場全体の評判、延いては金沢全体の評判を下げることの無いよう、お店の良識を信じるだけです。先を走る錦市場でも結論が出ていませんが、市場関係の方は市民の声も忘れないようお願いしたいと思います。
(尚、再度、写真はブログの内容とは関係ありません。念のため)
マナーの基準は国・人で違いますね
「マナーを守って!!」と唱えても、残念ながら、ポイ捨てがマナー違反だと思わない国、そして人がいることも事実です。
観光客と地元客のニーズは合致しません。十人十色、百人百様、千差万別。色々な意見があります。結論は出ませんね。