金沢の冬
”弁当忘れても傘忘れるな” の季節
明日から11月。あっと言う間に霜月です。
金沢に、”弁当忘れても傘忘れるな” の季節が近付いて来ました。
今年の8月に連続して ”弁当忘れても傘忘れるな” をテーマにブログを書きました。
ブログで ”弁当忘れても傘忘れるな” は、冬雷で天気が急変する季節、11月下旬から翌年3月上旬頃だと結論付けましたが、その冬がもう直ぐです。
前回のブログで復習
簡単に復習します。
過去のブログの内容に加えて、今回追加した新しいデータもあります(今回追加したデータは赤字で表示しました)。
日照時間
”弁当忘れても傘忘れるな” という言葉は、”天気が急変するから、弁当を忘れても傘は忘れちゃいけないよ” が本来の意味ですが、”雨が多いから傘を忘れちゃだめだよ” と誤解されることが多いようです。
そのため、”金沢は雨が多くて晴れが少ないんだ” と思う方も。
実際、テレビでもそんな風に捉え(させ)ている番組を見たことがあります。
気象データで金沢と東京の日照時間を比較すると、年間日照時間は金沢が1,895時間、東京が1,909時間。
一年で14時間しか違いません。一カ月当たり1時間強、一日当たりだと0.04時間も違いません。
冬場以外の日照時間は金沢の方が多くなるほどです。

降水量
実際の金沢の降水量がそんなに多いのかも調べました。
1975年から2022年の平均値で降水量の多い都道府県を並べると、
沖縄県の2,996mmを筆頭に、静岡県の2,967 mmが2位、3位は宮崎県で2,865mm。
石川県は2,223mmで7位。
同じ北陸の富山県(2,404mm で6位)や福井県(2,467mmで4位)より少なくなります。
金沢の雨は決して少なくはありませんが、人様からとやかく言われるほど多くはないことが分かります。
降水量(年間)の都道府県ランキング【1975〜2022】 | 統計リアル
冬の降雨日数(今回追加)
もっとも、雪国は冬場に降水量が増えますから、冬季の ”弁当忘れても傘忘れるな” は仕方ありませんね。
ご参考までに、別のブログで金沢市の冬の気温を取り上げたときの資料をどうぞ。
気温には極端な差はありませんが、金沢の冬場の降雨日数の多いこと。



年間降水日数(今回追加)
年間降水日数(一年のうち雨が降った日数)をランキング化したサイトがありました。
尚、気象庁の定義によれば、降水日数=日降水量1mm以上の日数だそうです。
従って、一日中降り続いた日も、短時間で1mm以上降り後は晴れていた日も降水日数ですね。
気温なども載っていますが、一番右が降水日数です。

雷日数
では、”弁当忘れても傘忘れるな” の真意、”天気が急変するから、弁当を忘れても傘は忘れちゃいけないよ” の原因は?
結論として天気の急変をもたらすのは積乱雲です。
冬の日本海からの季節風が積乱雲を発生させ、その積乱雲が雷を発生させる、
そのため雷日数全国一の金沢市の冬は天気が急変する⇒従って、”弁当忘れても傘忘れるな” は冬場に意味を持つ言葉だと結論付けた訳です。
観光スポットの尾山神社神門には、現存する日本で最古の避雷針があるくらい、雷(特に冬場の雷)が多い金沢です。


”弁当忘れても傘忘れるな” は、金沢の専売特許ではありませんでした
全国の ”弁当忘れても傘忘れるな”
ところで今更ですが……。
”弁当忘れても傘忘れるな” でググると、北陸は勿論いろんな地域でヒットしますね。
金沢の専売特許ではありませんでした。
兵庫県 但馬
先ずは兵庫県のWEBサイトです。
兵庫県の但馬地域の気候の説明に、日本海型気候で「弁当忘れても傘忘れるな。」と紹介されています。
pdfファイルから抜粋しました。

https://web.pref.hyogo.lg.jp/org/toyookatochikairyo/documents/1tokucho.pdf
思い出
今思えば、大阪勤務時代に但馬地域へは何度も行きました。
当時は但馬、そして兵庫県という意識はありませんでしたが、城崎温泉へは社内旅行で行きました。
そして何度かスキーに行ったハチ北高原。
車のルーフに板を積んで早朝に出発して日帰りです。若かったあの頃…。
京都府 丹後
晩秋から冬にかけて北西の季節風が丹後地方に雨や雪を運び、この季節「弁当忘れても傘忘れるな」。

弁当忘れても傘忘れるな/日本海一望奥伊根温泉 大人の隠れ宿 油屋別館 和亭のブログ - 宿泊予約は<じゃらん>
鳥取県
次いで鳥取県。
島根県
兵庫県北部、但馬地方の民宿「かどや」さんのブログに登場します。
このブログが ”弁当忘れても傘忘れるな” の地域を端的に表していると思います。

「弁当忘れても傘忘れるな」という日本海側、但馬の格言 | 香住佐津温泉 民宿 美味し宿かどや公式ブログ
冬の日本海
いろいろググりましたが、”弁当忘れても傘忘れるな” は、冬の日本海側、それも北陸から山陰にかけて共通している言葉のようです。日本海側気候ですね。
日本地図で確認してください。

三重県 尾鷲
今回、”弁当忘れても傘忘れるな” で検索した範囲で、日本海側以外でヒットしたのは三重県の尾鷲です。
Wikiによれば、年中雨が多いようですね。
日本海側の ”弁当忘れても傘忘れるな”=”天気が急変するから、弁当を忘れても傘は忘れちゃいけないよ” とニュアンスが違う ”雨が多いから傘を忘れちゃだめだよ” のようです。
日本海側一県おき美人説
最後になりますが、先ほどの日本地図を見て、余計なことを思い出しました。
「日本海側一県おき美人説」です。
阿刀田高さん、椎名誠さんたちが取り上げていた記憶がありますが、「日本海側では北海道から一県おきに、秋田県、新潟県、石川県、京都府、島根県、福岡県、長崎県」に美人が多いという説です。
秋田美人、京都美人云々のそれらしい理由付けを伴いますが、勿論、なんの根拠もない戯言です。
昔、日本地図を見ていて戯言だと確信したことを今回の地図で思い出した次第です。
賢明な皆さんもお気づきだと思いますが、北海道、秋田県、新潟県、石川県、京都府ときて、次は島根県ではありません。
兵庫県が日本海に面していることを考慮していない、地理的に間違っている説なんです。
椎名誠さんと富山県(余談の余談)
かつて、週刊文春連載のエッセイ「新宿赤マント」で、何かの折で訪ねた富山で食べたラーメンが「バカヤロ的にまずかった」と書いて物議をかもしたことがありました。
「日本海側一県おき美人説」でも富山県を敵にまわしているかも。
以上、今日はこれまで。