弁当忘れても傘忘れるな
”弁当忘れても傘忘れるな”
金沢は天気が急変するから傘は必携だよ、という意味です。
”弁当忘れても傘忘れるな” 冬の雷に注意
前回のブログで、金沢の日照時間と降水量の数値を集めて実体験と照らし合わせた結果、”弁当忘れても傘忘れるな” は、冬場の雷の季節、と書きました。
”東京が夏の雷で天気が急変するのと同じですね。
個人的な見解ですが、”弁当忘れても傘忘れるな” は冬場の天気急変を表しているのではないでしょうか。
もちろん梅雨時や、台風などの特殊要因は別ですが。(前回ブログより抜粋)”
”弁当忘れても傘忘れるな”
個人的には、冬の雷の時期(11月下旬頃から3月上旬頃)を表した言葉だと思います。
雷様の登場
東京での夏の雷と夕立、金沢の冬の雷と天気の急変。
共に雷様が関係しています。
雷のまち金沢
金沢は雷の多い町です。
雷日数の多い都道府県
下記サイト(都道府県別年間雷日数 - とどラン)では、1991年から2020年までの30年間の平均値で全国の雷日数をデータ化しています。
雷日数が最も多いのは石川県で45.1日、2位は福井県で37.4日、3位新潟県が34.7日、4位秋田県が34.3日、5位富山県が33.6日の順となっています。
全国平均は20.1日なので、石川県の雷日数は全国平均の2倍以上ですね。
原則、都道府県庁所在地のデータを使用していますので、石川県=金沢市の数字となります。
日本海側が上位を占めていますが、冬季雷、所謂、冬雷が要因です。
雷日数の少ない都道府県
参考までに、雷日数の少ない順は、北海道が9.2日、宮城県が9.8日、岡山県が12.6日、福島県が12.6日、和歌山県が12.7日でした。
全国の主な都道府県庁所在地の数字は地図に記載のとおりです。
このサイトには日本海側と内陸の月別雷日数も載っていますが、季節が真逆です。
尚、観測自動化前の目視観測の値なので参考値ということです。
金沢市の月別雷日数のグラフは、月別降水量のグラフと正比例しているような。
数字で見る雷あれこれ
話が逸れますが、雷に関した興味深いサイトがありましたのでご紹介します。
年間落雷日数ランキング
下のフランクリン・ジャパンのWEBサイトは、2023年の年間落雷日数の統計データです。雷が落ちた日数ですね。
落雷日数は、落雷数に関わらず落雷が1回でもあった日を1日としてカウントしているそうですが、前出の雷日数と比較すると数字が大きいんですが。
特徴的なのは、雷日数が9.2日と最も少なかった北海道が落雷日数ではトップです。
あの広大な原野に落ちているのでしょうか。
北海道、新潟県と面積の広い道県が1位と3位ですが、2位が鹿児島県ですから面積はあまり関係がないのかも。
年間落雷密度ランキングとゴルフ場の記憶
同じサイトに、2023年の年間落雷密度ランキングというデータもありました。
落雷密度とは、各都道府県の落雷数を面積で割った、単位面積(1平方キロメートル)あたりの落雷数だそうです。
密度が高ければ落雷に遭う機会が多くなるということですかね。
落雷日数ではトップの北海道は面積が広い分、落雷密度は一挙に下がります。
雷日数は北陸の数値が高かったんですが、落雷密度では全く違いますね。
昔ゴルフに行った県が目に付きます。
キャディーさんの指示で慌てて避難したことを思い出します。
以上、興味深い統計データのサイトでしたので。
雷様と天気の急変の因果関係
話を戻します。
雷が鳴ると天気が急変する!
積乱雲の発生
雷の原因は雲!
即ち積乱雲の放電現象が雷です。
気象庁のWEBサイトが分かりやすいと思います。
積乱雲が天気急変の原因
”発達した積乱雲は、時に、「急な大雨」「雷」「ひょう」「竜巻」などの激しい現象を引き起こし、これらによって毎年のように死傷事故が起きています。
(出典:気象庁WEBサイト)”
遠雷は雷様からの注意喚起です
積乱雲⇒雷⇒天気の急変という流れです。
しかし、天気の急変を察知するのに、いつも空を眺めて積乱雲の発生を観察しているわけにはいきません。
そのために雷様が音でヒントを与えてくれます。雷鳴なら他のことをしていても気づきますね。
遠雷は、積乱雲が近付いているぞ、天気が急変するぞ、雨が降るぞ、という雷様からの注意喚起です。
これは皆さん、経験則で分かっていますね。私も東京に住んでいた頃、夏に何度か経験した状況です。
冬の積乱雲、そして雷
遠雷は夏の季語です。
また積乱雲というと入道雲を連想し、夏の話だろうと思ってしまいます。
が、実は冬にも積乱雲による雷が発生します。
最後に出てきますが、実は夏の雷より冬の雷の方が多いようです。
” 雷は、発達した積乱雲の中で、あられ(直径数mm程度またはそれ以下の降水粒子)と氷晶(微小な氷の結晶)の衝突により起こると考えられています。
(出典:気象庁WEBサイト)”
冬の雷日数
下の日本地図を見てください。
青の度合いが多いほど冬の雷が多く、赤が目立てば夏の雷が多いことを示しています。
日本海側、北陸の雷が如何に冬場に多いかが一目瞭然です。
グラフだと、更にはっきりしますね。
冬の訪れを告げる金沢の雷
雪吊り
金沢では雪吊りが完了した11月下旬頃から時雨れることが多くなります。
雷鳴、そして冬の到来
そして雷鳴とともに霰、霙、雪。
冬の到来です。
松本清張が描いた北陸の冬
と表現した北陸の冬の到来です。
もちろん、今から70年近く前の冬ですが。
関連ブログをどうぞ。
冬の稲妻
先ほどの気象庁のWEBサイトによれば、
”夏と比較し冬の落雷では、大地へ流れる電流が大きくなることが多く、
(出典:気象庁WEBサイト)”
ということです。
確かに、ズシーンとお腹に響き、窓ガラスがビリビリ震えるような雷です。
映える、と女の子に人気の尾山神社の神門。
神門の先っぽには現存する日本最古の避雷針があります。
オランダ人医師の「北陸は雷が多いから」との助言に従い設置された避雷針は決して飾りや伊達ではありません。
冬の雷は、
” 地元の人間には本格的な冬を迎えるぞ〰っ、という心構えの雷、かつ、寒ブリのシーズンだぞ〰っ、という鰤起こしの雷です。(下のブログより抜粋)”
冬の雷は冬の味覚到来の合図 美味しい冬の北陸へどうぞ
先ほどの松本清張が描いた北陸は、東京から汽車で8時間必要だった時代です。
現在に比べ実に三倍の移動時間。
松本清張は取材の移動時間で疲れ果て、暗い北陸の冬との表現になったのかも。
松本清張の時代とは違い、便利になった交通網。
さぁ、雷と雪、そして天気の急変を頭にインプットして、美味しい冬の北陸へどうぞ。
寒ブリ
加能ガニ、甘エビ
雷で気になること
自信が確信に
ここまで書いてくると、
「”弁当忘れても傘忘れるな”
個人的には、冬の雷の時期(11月下旬頃から3月上旬頃)を表した言葉だと思います」
という持論について、自信が確信に変わりました(笑)
気になるデータ
ただ、気になる数字があります。
雷日数が増えているというデータです。
下記サイトによると、金沢は1月どころか、夏の8月の雷日数も増えています。
1月の雷日数の変化(金沢)
8月の雷日数の変化(金沢)
この例に挙げた金沢に限ったことではなく全国的に雷日数が増加しています。
” このように夏は日本海側・太平洋側とも、冬は日本海側を中心に雷日数が増えています。日本海側で夏の雷と冬の雷がそれぞれ増えているため、年間で見ると太平洋側よりも日本海側の方が雷日数の増加率が大きくなります。
(出典:上記防災ニッポンWEBサイト)”
これまでの金沢では天気の急変は冬場が主だったのが、太平洋側のように夏場の雷による天気の急変も増加するかも。
そうなると、冬場の ”弁当忘れても傘忘れるな” が、夏場にも…。
現実に最近は夏場の急変も増えています。
気になります。
今回は以上です。
次回も金沢の気候に関したブログになる予定です。