大雪 in 北陸
2021年1月。北陸の大雪や高速道路等の大渋滞がニュースになっていました。
私の住んでいる金沢市でも60㎝ほどの積雪となり雪かきが大変でした。
同じ北陸の富山市では、年末からの大雪で積雪が1mを超え、大変を遥かに通り越した状態だったようです。
朝起きてこんな状態になっていたら・・・。
【令和3年豪雪の記録】35年ぶり積雪115cm!変貌した街並みの様子【富山】
幹線道路ですらこんな状態です。
[富山]大雪の富山市-魚津市-黒部市ドライブレコーダー[UHD4K]
一歩裏通りに入ると・・・雪かきが追いつきません。
以上、年末から大雪に見舞われていた富山市の様子でした。
ここから、私の地元 金沢市の話題に戻ります。
金沢市の除雪計画
除雪、雪かきが如何に大変か。
雪が少ない地域に暮らしている方々に、金沢での行政による除雪の実態と、各家庭、それもわが家での雪かきの様子をご紹介したいと思います。
北海道や東北、新潟に比べれば雪の少ない金沢ですが、ご参考までに。
先ずは行政、金沢市による除雪の現状について。
市道の除雪計画
(該当のWEBサイトが消えていました。現在のサイトは下です。)
平成31年4月1日現在、延べ2,186㎞のうちの883㎞を “予め定められた除雪路線” として、優先順位(第1次路線から第3次路線)を付け除雪を計画しているとのことです。
金沢市による除雪計画路線883㎞は市道の約40%、半分以下です。
融雪装置(消雪パイプ)が設置されている道路の距離数は分かりませんでしたが、融雪装置(消雪パイプ)設置路線を含めれば40%よりも多くはなるでしょうが…。
重点路線は、ブルドーザーなどの重機で除雪しています。
暖冬だった2019年12月のブログにも書いていますが、基本は車優先の除雪です。融雪装置(消雪パイプ)は車社会の象徴だと私は思います。
歩道は・・・
自動車を優先した除雪の結果、歩道の除雪は………。
大部分の歩道は、人一人がやっと通れるだけの雪が踏み固められた獣道状態です。
積雪がそんなに多くない日でも下の写真のような歩道です。
歩きづらいので、雪でさらに狭くなっている車道を歩く方が目立ちます。中には、こんな日でも自転車に乗る人まで。
道路が狭い金沢では、とても危険です。
富山のように道路が広ければ、一時的に片側二車線のうち一車線に雪を溜めてもう一車線を開通させ、後から溜めた雪を集めていくことも可能です。
“車道が富山の歩道より狭い” と言われる金沢ではそうはいきません。
除雪計画図では歩道除雪路線となっている歩道でさえ、車道の雪がブルドーザーで押し上げられ、大雪から10日以上経った1月22日でもこんな状態でした。
その、更に5日後の1月27日には、ようやく何とか歩行者が通行可能な状態に。
降雪後、実に2週間以上の間は、歩行者無視の状態でした。
ほぼ市民任せの除雪
金沢市による除雪が計画されている路線も、第1次路線は幹線道路やバス路線で443㎞。第2次路線は389㎞。地域における主要な道路です。これらの道路は積雪10㎝~15㎝で委託業者が除雪したり、業者に発注したりする恵まれた道路です。
第3次路線50㎞に至っては、なんと概ね積雪60㎝以上で排雪作業とあわせ委託業者に発注される道路です。60cm以上の積雪で初めてとは!!
残りの道路は、金沢市のHPの表現を引用すると、
“市道について、次の役割分担で除雪を行います。
(出典:金沢市Webサイト)”
とあり、役割分担が記載されていました。大部分の市民は役割分担なんて知らないと思います。
すなわち、上記の第1次から第3次までの優先路線以外で、
“日常生活を送るために必要な、除雪路線以外の生活道路や歩道、消火栓付近など
(出典:金沢市Webサイト)”
については、「市民」の役割分担となっているようです。
なんと、市道の半分以上、6割の除雪は市民任せです。
人の住んでいる所は、全て日常生活を送るために必要な道路だと思いますが如何でしょう。
(このWEBサイトも消えていました。現在のサイトは下です。)
勿論、除雪の100%を金沢市に頼るのは無理だとは思いますし、期待もしてはいませんが、“市民の協力” による除雪、これには問題点が多々ありますね。
市民の雪かき用具
先ずは市民の雪かきの実態です。
市井の一市民はこんな用具で雪かきしています。
プラスチック製スコップ Ⅰ
気温の低い朝の軽い新雪なら、
こんなプラスチック製のスコップでザーッと道路脇の溝に向かって雪を押します。
プラスチック製スコップ Ⅱ
雪を道路脇に積み上げますが、上記のスコップでは高く積み上げるのには不向きなので、こんなスコップを使用します。
スコップとシャベル
話が少し飛びます。
ここまで当たり前にスコップと書いてきましたが、スコップとシャベルの違いって?
私は大きいものをスコップ、園芸に使うような小さいものをシャベルと呼んでいましたが、これ、関東と関西では真逆のようですね。
金属製スコップ
話を戻します。
如何せん、北陸の雪は湿った重い雪です。
プラスチック製のスコップでは、特に、雪を上に積み上げる場合、役に立たないこともあります。
更に、車が通った跡には固い轍が残されています。
その場合は、金属製スコップ(アルミ製)の出番となります。
雪かきをしっかりやっている家の判別方法(その1)
雪かきをしっかりやっている家では、軒先にプラスチック製とアルミ製のスコップの両方を備えている筈です。
また、雪かきに対する意識が高いお宅では、家族複数で雪かきをする場合に備えて、複数のスコップが準備されている筈です。
ご近所をご確認ください(笑)
固くなった雪
自動車や歩行者に踏み固められて固くなった雪には、このアルミ製のスコップも歯が立たないことがあります。
写真は、2018年の大雪の時に固まった雪を割った結果、先端が曲がってしまったアルミ製のスコップです。
勿論、プラスチック製のスコップはとっくに割れています。
雪かきをしっかりやっている家の判別方法(その2)
軒先に置いてあるスコップの痛み具合を見れば、そのお宅の雪かき貢献度が判明します。
ご近所をご確認ください(笑)
更に固くなった雪
更に固くなった場合、わが家では先の尖った鉄製のスコップの出番です。持ち手から先端までオール鉄製です。丈夫で重いので、固くなった雪には最適です。
因みに、固くなった雪の場合、雪かきではなく雪を割ると言っています。
他に鍬がありますが使ったことはありません。
父が使っていた道具
鉄製のスコップや鍬は父が使っていたものです。
昔はもっと積雪が多かった金沢です。80代後半まで雪かきをしていた父。大変だったろうな。
鶴嘴(つるはし)
市の中心部では人通りが多く、更に雪が固くなっているため、銀行の方が鶴嘴で雪を割っている光景を見たことがあります。
スノーダンプ
スノーダンプ。軽い雪なら一気に雪かきできますが、基本的にはダンプという名前のとおり。雪を積んで捨てる場所まで運ぶのに使います。
3年前、2018年の大雪では、道路の雪の捨て場所がなくなり、雪を自宅の庭に積み上げるときに使用しました。庭木にはかなりの被害が。
小型除雪機
小型除雪機があれば便利でしょうね。
ただし、使っている知人の話では、
① 北陸の重く湿った雪は除雪機に詰まりやすく、
② 近所の目があり町内を一周する羽目になる
そうです。
一市民による雪かき
わが家の雪かきの実際の写真を時系列に並べます。
写真は3年前、2018年のものです。
先ず玄関先から
先ずは、玄関先に積もった雪を庭木の上へ積み上げ、道路へと向かいます。
道路の雪かき開始
道路の雪をかき分けます。道の両側の側溝へ積み上げていきますが、周囲の家の駐車場が増え、側溝がグレーチングで塞がれているため、積み上げる箇所が限られてきました。
少し道路が見えてきた
少しアスファルトが見えてきましたが作業はまだまだ続きます。
道の両側にこれ以上積めないので、道路の雪を自宅の庭へ運びこみました。
庭木が可哀想ですが、近くに雪を捨てる場所がないので仕方がありません。
雪かきがかなり進みました
道らしくなってきました。
ここまでで体力もかなり消耗しています。
ラストスパート
ラストスパート。
ふ~ッ、一段落
朝から、昼食を挟んで午後まで。
連れと二人でここまで。よく頑張りました。
勿論、道路の片面だけではなく、お向かいさん側の雪かきもやり、道路に積み上げができない雪は自宅の庭に運びました。
自宅近辺が一段落すると、連れはスコップ片手にゴミ集積場へ向かいます。雪に埋もれたゴミ集積場周りの雪かきです。私も公園周りの道路の雪かき。
今日は終了しましたが、その後も雪は降り続きます。
この冬は同じ作業を何度も何度も何度も…繰り返しました。
忙中閑あり
先日、通りかかった道路で、雪を市松模様に割って作業をしている方がいました。
雪かきで疲労が蓄積します。どこかに遊び心、楽しみがないとやってられませんね。
今年、雪かきをやりながら「コロナ禍で運動不足になった身体にはとても良い運動だ」と自己暗示をかけていました。
雪崩し
雪かきの事後処理も体力を使います。
道路脇の側溝に積んだ雪が山のようになっています。
融雪を促すための雪崩し(地域、人によって呼び方は違うと思います)が必要になります。
天気と相談して雪の下の側溝を掘りあて、その中へ積み上がった雪を入れて融雪を促進します。そうしないと融けるのは何時になることやら。
次の降雪時に雪の捨て場が無くなります。
後から出てきますが、雪かきに非協力的な家では、自宅の玄関や駐車場の雪を隣の家の側溝へ積むだけ積んで知らん顔です。側溝に積み上がると隣家の庭にまで投げ入れています。
身体への負担
これだけの労働です。身体には相当の負担となります。
3年前、2018年の大雪のときは、ビタミン剤を服用し筋肉痛の塗り薬の毎日でした。
更には、手への大きな負荷のため、指と手首を痛めて半年間整形外科に通う羽目になりました。今でも握力は一般的な女性並みにしか戻っていません。
手袋、ブーツも・・・
合皮のブーツ、そして手袋も破れてしまいました。一緒に雪かきを頑張ってくれたブーツ、手袋は戦友です。
雪かきの不都合な真実
雪かきの実態
近所の年配の方が一生懸命雪かきをされています。いつも手伝うようにしています。
この方は、道路の雪まで自宅敷地のスペースに積んでいます。
一方、(町内では)若い人の家では、自宅前の狭い範囲の雪を隣の家の側溝へ押しやるだけ。私たちの作業で道路脇に雪が積み上がった時には、隣家の庭へ投げ込んでいました。
当然、年配の方の雪かきは見て見ぬふり。
それどころか、3年前(2018年)の一斉除雪デーに、町内の雪かきが終わった頃合いを見計らったように家から出てきて、夫婦揃って自動車で外出していくような人たちです。
ある日のこと、隣接する駐車場の雪かきをしているではないですか。でもよく見れば何のことはない、自宅の屋根雪が隣の駐車場に落ち、その雪を道路や公園に捨てていただけでした。そういえば、近隣の家でこの家だけ屋根雪が残っていません。雪国で屋根の雪止めが無いことは考えられませんから、雪止め効果のないような雪止めなのか…。そもそも、屋根からの雪が隣の敷地に落ちるような設計とは!?
複数の他人の目があるのに、平気で歩行者専用道路を走行したり、他人の家の駐車場でUターンしたり、法律に抵触するようなことが当たり前。
一事が万事の家族です。
町内の各家の敷地には、道路の雪がうず高く積まれていますが、この人の家では逆に敷地内や屋根の雪を道路へと・・・。
私有地の雪を道路に捨てると
私有地の雪を道路に捨てると法律に抵触します。下記のリンクを参考までに。
雪かきとクレーマー対策
自分たちのやっていることには甘く、他人には厳しい。
所謂クレーマーですね。
世間一般の人とは考え方が違う家族で、それが当然だと思っているのでしょう。
ある意味、可哀想な家族です。
会社に勤務していた頃のクレーマー対応の経験に基づき、駐車場の雪の道路への雪捨てや、歩行者専用道路の走行、他人の駐車場でのUターンなどは激写してあります(笑)
受益者負担
この(町内では)若い人の家は4人家族で、複数の自動車を頻繁に使用していますが雪かきは前述のとおりです。
一方、二人暮らしで車も所有しない年配の方が一生懸命雪かきしています。
道路の使用状況は自ずとお分かりになると思います。受益者負担の観点から極めて不公平です。
大雪の休日に、自分たちは雪かきもしないでマイカーを使うこと自体が、とても非常識だと思います。どうしても車を使いたいのなら、先ず自分たちが率先して雪かきをすべきだと思いますが、如何でしょうか。
緊急車両、ゴミ収集車の通行のための雪かき
自分の敷地の周りの道路は自分の土地ではありませんから、除雪するのは義務ではありません。それでも、私は自宅周囲の雪かきは徹底してやります。
連れは自宅から離れたゴミ集積所周囲の雪かきも。
そもそも、クレーマー家族のマイカー走行のために雪かきをしている訳ではありませんからね(笑)
住宅地の裏通りとは言え、消防車や救急車などの緊急車両やゴミ収集車の通行、そして消火栓の確保、学童の通学路確保などのために雪かきをしているのが本旨です。
決してマイカーのためではありません。
が、幹線道路などはあくまで車優先。除雪車の雪が交差点の横断歩道や、歩道に積み上げられ、歩行者は無視されているのが実情です。その考え方が裏通りの雪かきにまで。
金沢市へ 正直者がバカを見る雪かきの解決をお願いします
私の体が動く間は、一生懸命雪かきし、年配の方の雪かきも手伝います。
ここで金沢市へのお願いです。
金沢市としては、“市民の協力” で、 “町ぐるみ” で、などといったお題目を記載したチラシを配るだけではなく、個々人の善意に頼らない具体的な協力体制の構築を目指すべきではないでしょうかね。
道路の雪かきをせずに自動車で出かけるお宅。
車で踏み固められた硬い轍が続いています。時には積んである雪を崩してまで走っています。
このお宅は、自宅の駐車スペースだけしか雪かきをしません。
現実に、このような非協力的な人が存在しますが、無理強いすればトラブルでしょう。
自宅回りは勿論、近所の年配の方のお手伝いや、ゴミ集積場、公園周りの雪かきをしているわが家です。いつも “不条理” “不公平” という単語が頭にチラついています。
正直者がバカを見るような実態を行政が黙認しているのと同じですよ。
アパートの前の道路などは酷い状況です。また、先ほど書いたように、自宅の駐車スペースしか除雪しないお宅や、自宅前の雪を隣家へ押しやるだけのお宅も増えています。
中には自動車に積もった雪を道路で落としている不心得者も。
自分たちで少し雪かきすれば幹線道路が近いのに、遠回りして私たちが一生懸命雪かきした方へ車を走らせて来る住人もいます。更にはコーナーを曲がりきれず、私たちが雪かきで一生懸命積んだ雪を崩す輩まで登場します。勿論、崩した雪はそのままにして走り去ります。
町内で、雪かきをしない家が増えつつありますね。
この町内も、私の幼い頃は皆で協力して雪かきしていた記憶があります。新しく越してきた人が増えていますから、雪かきに対する考え方が違ってきているのかもしれませんね。
もっとも、新しく越してきた方にも真面目に雪かきしている方がいますので、あの家族だけが別次元なのかも(笑)
金沢市さんへ。
市道の実に6割は住民任せの除雪体制です。
高齢化が進んでいる町内が増えています。
性善説に頼っていては町内の雪かきが出来ない時代になっていますよ。