Hans Potterの日々

映画と音楽と本、そして食べることが好きなオジサンです。徒然なるままに…

金沢の正月はチンチンカモカモとフォーチュンクッキー

チンチンカモカ

旗源平

金沢の正月遊びに「旗源平」があります。

名前のとおり、源氏と平家に分かれて相手方の旗(小旗10本、中旗5本、大旗1本)を取り合い、最後に相手方の纏(まとい)を取った方が勝ちとなる遊びです。二個のサイコロを振り、出目により相手の どの旗を何本取れるかが決まっています。

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旗源平の展示物: 金沢くらしの博物館にて

遊び方については次のサイトに詳しい説明がありました。

旗源平(はたげんぺい)

サイコロの出目の呼び方

特徴的なのは二個のサイコロの出目の呼び方で、一番覚えやすいのは1のゾロ目の「チンチンカモカモ」でしょう。

文字で見ても面白いのですが、全員で唱えますので、聞くとインパクトがありますよ。
後、耳に残るものとしては、2と3で「ニサマノカンカンド」、4と3で「シサマノカンカンド」、5と3で「ゴサマノカンカンド」があります。相手の旗は取れません。「はずれ」「スカ」ですが、サイコロの出た目の組み合わせで五つある「はずれ」のうち、三つが「3」絡みです。今なら「3」にたいする差別ですね。
最近ではこの遊びを見ることはほとんどありません。

私の年代でも、小学校低学年のときに地区の公民館で「昔の遊び」として見たのが最後ですから…。

次のサイトにサイコロの出目の一覧表がありました。

旗源平(はたげんぺい)さいころの目による旗のやりとりの表2(行列型)

フォーチュンクッキー

福梅と福徳

金沢の正月のお菓子としては、「福梅(ふくうめ)」、「福徳(ふっとく)」そして「辻占(つじうら)」を思い浮かべます。
いずれも藩政期、加賀藩のころからの伝統菓子です。如何にも新年を寿ぐ目出度い名前です。これらを頂くと新しい年になったことを実感します。

「福梅(ふくうめ)」は梅の形(加賀百万石 前田家の家紋とも天神様の紋とも…)をした紅白の最中に餡子が入っています。個人的には甘~いので苦手でした。

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福梅(写真提供:金沢市

「福徳(ふっとく)」は最近見ることが少なくなりましたが、縁起の良い福俵や打出の小槌をかたどった最中の皮の中に、土人形狛犬などや可愛い金花糖(砂糖菓子)が入っています。中に何が入っていたかで一喜一憂した記憶があります。

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福徳(写真提供:金沢市

辻占 フォーチュンクッキー

「辻占(つじうら)」は砂糖菓子の中に「おみくじ」が入っています。子供にはあまり意味のない言葉が書いてある「おみくじ」ですが、食べもしないのに砂糖菓子を開けて「おみくじ」を集め、叱られたような…。

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辻占(写真提供:金沢市

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辻占(加賀藩御用菓子司 森八のHPより)

辻占 森八 オンラインショップ

AKB48 恋するフォーチュンクッキー 

AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」。Wikiによれば

“日本の江戸時代の菓子が移民によってアメリカに持ち込まれたとする説が有力”

とあります。辻占煎餅という菓子から派生したと言われている金沢の辻占ですので、フォーチュンクッキーとは遠縁にあたるのかも…。
正月の時期に金沢へ来られたら、一度どうぞ。