Hans Potterの日々

映画と音楽と本、そして食べることが好きなオジサンです。徒然なるままに…

和をもって日本となす You Gotta Have Wa

WBC日本対イタリア戦

昨日(2023年3月16日)のWBC 日本対イタリア戦。

大谷翔平選手のバント

大谷選手のバント! 

まさに日本の ”野球” でした。

”ベースボール” の母なる国アメリカでプレーしていても ”野球” の精神を忘れない大谷選手。

和をもって日本となす

大谷選手のバントに興奮したときに頭を過ったのが、30年ほど前の本「和をもって日本となす」。原題は「You Gotta Have Wa」。

今大会では、ヌートバー選手に代表される「和」、侍ジャパンの「和」、が目立ちます。

和をもって日本となす(R・ホワイティング著、角川書店発行)

ただし、この本は、日米貿易摩擦真っただ中の頃、アメリカでは1989年、日本では翌1990年に発刊されました。

従って、侍ジャパンの「和」に使用したのとは使われ方のニュアンスは違ってはいますが、妙に頭の中を駆け巡る本です。

”野球” と ”ベースボール”  

この本は、日本の野球とアメリカのベースボールの違いを軸に、日米の文化そのものの違い「文化摩擦」を記した本で、アメリカ人を対象に書かれたということです。

アメリカのメディア各社の書評が印刷されていますが、中々………。

和をもって日本となす(R・ホワイティング著、角川書店発行)

お断りしておきますが、野茂英雄さんのドジャース入団5年前、イチローさんがメジャーデビューする11年前、今(2023年)から30年以上前、1990年の本です。

You Gotta Have WaとYou Gotta Have Heart

和をもって日本となす(R・ホワイティング著、角川書店発行)

訳者(玉木正之さん)のあとがきに拠れば、原題の「You Gotta Have Wa」は、映画化もされた有名なミュージカル「くたばれヤンキース(原題:Damn Yankees)」のテーマソング「You Gotta Have Heart」のもじりだそうです。


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日本語版を発行するにあたって、「You Gotta Have Heart」が日本ではそれほど有名ではないため、「Wa=和」から聖徳太子の十七条の憲法「和を以て貴しと為す」をもじり「和をもって日本となす」としたとのこと。

本の内容にピッタリのネーミングだと思います。

玉木さんのネーミングに👏

再読

今回、久しぶりに書棚から引っ張り出して読んでいます。

本に書かれている30年前の日本の野球および日本の文化と、現在の日本の野球と文化には殆ど変わりはないと思います。

が、当時と現在のアメリカ人の日本の野球と文化に対する見方の変化(ほぼ掌返し🤣)に気付きます。

30年の時の流れ………。

あとがきを読むと、この本の版権を買った映画会社があったとのこと。

ひょっとすると、半年前のブログに登場した「ミスター・ベースボール」?

本はアメリカで1989年発行。映画は1992年公開です。

hanspotter.hatenablog.com

そう言えば、映画では野球とベースボールの違い、日米の文化の違いが…。

ということで、以下、その部分だけを抜き出して貼り付けます。

ミスター・ベースボール(Mr. Baseball

最近観た1992年の映画「ミスター・ベースボール」。

高倉健さんが出演しているとの理由で観た映画ですが、日米の野球の違いや、文化そのものの違いなど、面白い内容でした。


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ニューヨーク・ヤンキース所属の現役大リーガーが中日ドラゴンズへ移籍することになり、日本へ到着してからのアレコレを描いた映画です。

映画のシーン

日本の空港に到着早々の記者会見では、日本に対する主人公の正直な感想が口から出ます。

小さな人間が早口で…

映画のシーン

YEN

映画のシーン

“Yen(熱望)に惹かれた” という皮肉たっぷりの回答。私の英語力では “Yen=円” のみでした。

スワロウテイル Swallowtail Butterfly ~あいのうた~

そう言えば、1996年の映画「スワロウテイル」の「Yen Town Band」。

"円" が世界で一番強かった時代という設定に通じるものが。

ベースボールと野球

話を戻します。

製作者は、日米の野球文化の違いに違和感があるようで、練習のやり方、鐘や太鼓を使っての応援、試合に引き分けがあること、そして送りバントなど、ベースボールと野球の違いが描かれていました。

引き分けで試合終了だと?
プロがバントを?

映画のシーン

野茂英雄さんのドジャース入団の3年前、イチローさんがメジャーデビューする9年前、今(2022年)から30年前、1992年の映画です。

日米の文化の違い

日本到着直後、球団お偉方と握手ではなくお辞儀を交わす場面、そして名刺を差し出すお偉方たちにトレーディングカードを配るシーンから始まり、

映画のシーン

日本の家の狭さ、

映画のシーン

靴を脱ぐ習慣、トイレ、入浴方法、食事、

映画のシーン

等々、文化そのものの違いが数多く登場しますが、徐々に異文化を受け入れていくという内容でしたから、納得できる描かれ方=製作者が日本の文化を理解して脚本を書いている印象でした。

ヌードルハラスメント

映画では、球場での割りばしでの食事風景を始めとして、麺を啜るシーンが頻繁に出てきます。

欧米人には啜るという文化がないためか、所謂、ヌードルハラスメントに通ずるシーンが度々登場します。

映画のシーン

そういえば、映画「ブラックレイン」でも高倉健さんとうどんを食べるシーンで、マイケル・ダグラスが箸を使ってぎこちなく食べていました。

ブラックレインのシーン

一時期、麺類を啜ることに関してヌードルハラスメントなる言葉が取り上げられました。それに一部の日本人が過剰反応して話題になったことがありましたね。

日本の文化ですし、日本で食べている分なら啜るのが当たり前では、と個人的には考えています。

ヌードルハラスメントはブログでも話題にしたことがあります。

hanspotter.hatenablog.com

高倉健さんも登場

ナゴヤ球場も登場しますし、ドラゴンズの監督を演じている高倉健さんが、まさに星野仙一さんです。ドラゴンズファンには興味深い映画かも。

尚、映画には懐かしいレオン・リーアニマル・レスリーのほか、日本人を含めた元プロ野球選手が出演しています。

映画のシーン

今回は以上です。

昨晩の大谷翔平選手に刺激されました。