金沢シャッターガールのPart 3です
金沢が舞台の「金沢シャッターガール」。
桐木憲一さんの原作で金沢巡りをしていますが、今回はPart 3です。
金沢を舞台にした桐木憲一さんの原作には、金沢の人間でも知らないようなことも書かれています。
勿論、定番の観光スポットも紹介されていますので、コミックですが金沢観光のガイドブックとしての利用も可能…かな。
原作と映画ではストーリーも、登場する場所も違います。それを前提にご覧ください。
Part 1と Part 2は下記リンクへどうぞ。
第6話 金沢21世紀美術館
オヨヨ書林 せせらぎ通り店
夏目花奈が待ち合わせ相手のユーリを見つけたのが、オヨヨ書林 せせらぎ通り店です。
特徴のある店名は、小林信彦さんの小説「オヨヨ島の冒険」が由来とのこと。
1999年にWEB販売から出発し、2004年に実店舗開店。2010年に東京から金沢へ移転したお店です。
ユーリが手にしている本は、写真家 森山大道さんの「何かへの旅 1971‐1974」です。
原作ではドイツと日本の写真の関係も語られていますが、森山大道さんや木村伊兵衛さんのお名前も存じ上げない、斯界については無知な私です。木村伊兵衛写真賞が写真界の芥川賞と呼ばれていることも今回知りました。申し訳ありません。
尾山神社の神門を背にして、参道を歩き、そのまま西方向へ真っ直ぐ300m強 歩いてください。用水の橋を渡った左側に古い建物が見えてきます。人気のパン屋さん(ひらみぱん)の隣です。
金沢21世紀美術館と尾山神社
金沢21世紀美術館と尾山神社。今では金沢観光の目玉となっていますが、両者には反対運動がありました。
明治の人々の目には尾山神社の神門が異様に映ったようで、「醜形門」とまで言われ反対運動がありました。昨年ブログに取り上げましたので、詳しくは下記リンクで。
金沢は保守的な街ですから、金沢21世紀美術館設立時にも かなりの抵抗・反対があったようです。
令和になった今でも、昔と同じ考え方の方が まだまだいらっしゃるようで、“クズやゴミ、ガラクタばかり” の展示、などという年配の方の口コミを目にすることがあります。
ゲームクリエイター Peter Molyneuxの言葉を覚えていますが、
“芸術は主観的なものだ。ある人には芸術でも それをゴミと言う人もいる。芸術という言葉はそれだけ不確かなものだ。それが映画であれ 本であれ 絵画であれ コンピューターゲームであれ 人は目にしたものを好きなように解釈する。(Peter Molyneux)”
確かにそうだとは思います。
しかし、人前で、公に、ゴミやガラクタと仰る方は、余程の審美眼、そしてご自分に自信をお持ちなんでしょうね。私には到底無理です。
金沢21世紀美術館の予備知識
金沢観光の目玉の一つです。予備知識を少し。
新しいコンセプトの美術館ですので、従来の美術館に対して持っている先入観のまま入館すると、戸惑いが先行しネガティブ思考になると思います。
自分の持っている “美術館” のイメージを頭から消し去ってから入館した方が、私は良いと思います。
以前、60~70歳と思しき男性が、「全然分からん。あんた等も分からんやろ」と連れのグループに話しかけたのを見かけたことがあります。
展示場の真中で大きな声で話しかけられたのが嫌なのか、自分とは相違する意見を押し付けられるのが嫌なのか、連れの方々(30~40歳代)は一様に困った顔で苦笑いでした。
新しいもの、前例のないもの、自分が理解できないものに対して否定的になるのは、今も昔も同じようです。
特に年配の方にネガティブな見方をする方が多いようです。私も齢を重ねて頭が固くなりつつあります。他山の石として…。
先入観を払拭して入館すれば、流石にミシュラン・グリーンガイドで二つ星の評価を受け、大手旅行雑誌(Travel & Leisure誌など)でも評価が高い美術館だけに、楽しめる筈です。
それと持ち込みするバッグの大きさなどに制限があります。また、お子さん連れの方も注意してください。いずれも展示物に万が一のことが無いように決められた規則です。
小さなお子さん連れについては下記ブログにも少し書きました。
小さなお子さんは、屋外の常設展示物で伸び伸びと遊ばせてあげてくださいね。
金沢21世紀美術館の入館者数
金沢21世紀美術館は、年間約250万人の入館者数です。経営情報誌の調査によれば、国立新美術館や国立科学博物館と同じくらいの入館者数です。ここ3年ほどは、国立新美術館と抜きつ抜かれつのトップ争いを行うほどの入館者数となっています。
休館日だと、チケット売場は下の写真のようになるんですがね。
2,3年前、国立美術館の理事長が、東京国立近代美術館工芸館の金沢市への一部移転に関する記者の質問に「誰も来ない場所になる」「金沢の県立美術館なんて誰も行きません」などと発言し物議を醸しました。また、金沢21世紀美術館の入館者数についても「数字のマジックだ。入口と出口を全て足している」などと発言し、結果、各美術館の館長を始め、石川県知事・金沢市長・石川県選出の国会議員などへのお詫び行脚をする羽目になりました。
一度でも現場を見ていれば、こんな発言はなかったと思います。富山県出身の方ですから、地元富山でのリップサービスだったのでしょうか。
開館後10年以上経過しても全国でトップクラスの入館者数の美術館です。連休や夏休みなどは来館者が集中しますので、待ち時間を頭に入れておいた方が良いと思います。
それと貸ギャラリーの展示は美術館主催ではありませんので別料金です。念のため。
第7話 貴船明神(縁切り 縁結び)
街角オブジェ
夏目花奈が友人たちと見ているのは、「Corpus Minor #1」と名付けられたオブジェです。高さ3.8m、重さ6.5tもある巨大なものです。
金沢21世紀美術館の開館時期に合わせて、金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティションが2004年と2006年の2回開催されました。
入賞作品が市内に設置されています。他にも、金沢駅前の「やかん体(タイ)、転倒する。」や香林坊の「走れ!」など。
探しながらの市内散策も面白いと思います。
細字印判店
天正十六年(1588年)創業。十一代続く日本最古の印判店とのこと。前田利家の御用印判師として、金沢の尾張町に店を構えて四百有余年の老舗です。
この近辺、尾張町界隈には老舗が多く、古い商家も残っている地域です。
トマソン
保存(?)されている無用の長物のことだそうです。
この階段のトマソンは、細字印判店から直線距離で400m以上離れています。
11月14日のNHK「ごごナマ」。なぎら健壱さんが、“なぎら健壱のペタペタ歩き” というコーナーで金沢を扱っていました。
壁に取り壊した隣家の痕跡が残っているトマソンや、桐木憲一さんの原作の第1話に登場する金沢城内の旧陸軍省の遺構などを紹介していました。
金沢の町家は細長く、家と家が接しているので、壁に建物の痕跡が残るトマソンは多いと思います。
私の知っているトマソンを幾つかご紹介します。興味のある方は散策時にでも…。
貴船明神
その昔、武家の妻女が火除けなどを願い、真夏の丑の刻に無言で鬼川と呼ばれた大野庄用水にかかる橋を巡り、養智院で受け取ったお札を貴船明神に納めた “鬼川の八橋巡り” という風習があったそうです。
貴船明神に火除けを願ったというからには、水神を祀る京都の貴船神社の末社らしいのですがハッキリしませんでした。現在の貴船明神は、縁結びと縁切りの両方に功徳のある神社といわれていますが、これも京都の貴船神社と同じです。
神社前に「貴船神社のいわれ」という立札がありますが、赤い部分に縁結び・縁切りのお参りの仕方が記されていました。興味のある方は赤い部分を熟読…。
と笑って書いていましたが、いつもは私のブログを気にも留めない連れが、貴船明神については隣で興味深く読んでいます。
ン?…。
第8話 カメラ・オブスクラ
カメラに興味のある方は必読です。是非、原作を読んでください。
私はと言えば、カメラ、写真音痴です。申し訳ありませんがWikipedeiaを…。
第9話 鷹の巣トンネル
Part 1に書きましたが、私は心霊スポットが不得手というか苦手なので省かせていただきます。原作を読んでください。
中途半端な内容ですが、今回も字数が多くなってしいました。次回Part 4へ。