「なつぞら」と「おしん」
NHKBSプレミアムの 7:15から「おしん」を放送しています。続いて「なつぞら」。
両番組には田中裕子さんが出演しています。
成年期の「おしん」を演じ、「なつぞら」では産婦人科医の役です。
地元 石川県絡みでは「まれ」にも出演していました。
女性の年齢の話で恐縮ですが、放送年度で数えると「おしん」出演時は28歳、「なつぞら」で64歳。週刊誌で拝見したグレーヘアも似合っています。
素敵に齢を重ねられていますね。
実は、リアルタイムでは「おしん」を観たことがありません。
丁度、“痛” 勤時間帯でした。
雑誌などの情報で印象に残っていたのも子役時代の小林綾子さんです。
北斎漫画
1981年の映画「北斎漫画」。
新藤兼人監督の作品で、緒形拳さん、田中裕子さん、西田敏行さん、樋口可南子さん、乙羽信子さん等々が出演し、葛飾北斎の生涯を描いた映画です。
「北斎漫画」出演時、田中裕子さんは20代半ばで、15~70歳の老け役まで演じています。緒形拳さんは35~90歳まで。
田中裕子さん、素晴らしい演技です。
でも、当時22,3歳の樋口可南子さん(夫は糸井重里さん。私は「ほぼ日」のファンです)の大胆なシーンの方が印象に残っています。
田中裕子さんも、綺麗な裸身のシーンがありますが、樋口可南子さんの「蛸と海女」の方の記憶が…。
葛飾北斎の浮世絵「蛸と海女」を描くシーンです。
無難なシーンだけ載せます(「蛸と海女」のシーンではなく、前半のシーンですが…)。
映画のシーンはレンタルで確認してください………。
天城越え
田中裕子さんの印象が強く残ったのは、松本清張の原作を映画化し、1983年2月に公開された「天城越え」です。「おしん」はこの映画公開の後、1983年4月から放映開始です。
連行される途中で、少年を見つめる表情の変化が、見事に心の動きを表現しています。
「天城越え」で、田中裕子さんは、日本アカデミー賞主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞など国内の賞を総なめにしたほか、海外でもモントリオール世界映画祭主演女優賞を受賞しています。
樹木希林さんもお若い。
男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
「天城越え」公開の少し前、1982年12月に公開された「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」では、沢田研二さんと共演。結婚の切っ掛けでしょうね。
この映画では螢子という役でしたが、後で紹介する「夜叉」でも螢子(けいこ)でしたね。
CM出演
サントリーオールド
映画から少し離れてCMの話です。
人気女優ですから色んなCMに出演していますが、サントリーオールドのCM、大好きでした。
長塚京三さんと田中裕子さんの「恋は、遠い日の花火ではない。」シリーズ。このキャッチコピー!
CMでの表情の演技!!心の動きを表現しています。
40歳前後の恋にときめく可愛い女性を演じています。
相手役の大森南朋さんも若いですね。
【CM 1994-96】 SUNTORY OLD 恋は、遠い日の花火ではない。 30秒×6
CMで流れる「夜が来る」という音楽も好きです。耳に残っています。
サントリーのCM
さらに話が飛びます。
昔のサントリーのCM良かったなぁ。
一番好きなのは「雨と子犬」のCMです。
傑作です。
大原麗子さんのCMも忘れ難い。
大原麗子 サントリー レッド・オールドCM集 (追加・再編集)
夜叉
高倉健さんとの共演
1985年の映画「夜叉」は高倉健さん久々のヤクザ役です。当時54歳です。
高倉健さんと田中裕子さんは度々共演しています。
「夜叉」出演時、田中裕子さんは30歳。
元々の才能でしょうが、小悪魔的な魅力を発散しています。大原麗子さんもそうだったな…。
営む居酒屋。田中裕子さんの後方の棚にサントリーのウィスキーが並ぶのはご愛敬。
提灯の陰で高倉健さん演ずる修治を見つけた表情の変化…。
夫役のビートたけしさんを駅のホームから身を乗り出して待つ姿。演出ですかね。
健さんとの絡みの演技。大きめの黒いセーター姿など、小悪魔です。健さんの表情も…。
最後に悪阻で苦しんだ後、列車のトイレの鏡に映る表情。良いですね。
赤が似合う女優さんです。
ジャズ・ハーモニカ
バックに流れるトゥーツ・シールマンス(Toots Thielemans)のハーモニカが素敵です。
トゥーツ・シールマンスのジャズ・ハーモニカ、私は好きです。
初めて聴いたのは、Bill Evans とのアルバム「Affinity」の「I Do It For Your Love」でした。 ポール・サイモンの作曲です。
Bill Evans & Toots Thielemans - I do it for your love
ステファン・グラッペリ(Stéphane Grappelli)との出合いもポール・サイモンの「Hobo's Blues」です。縁があります。
共演者
当時38歳のビートたけしさんも出演しています。かなり凶暴な役です。
1986年のフライデー襲撃事件の前年公開の映画です。(他意はありません。念のため)
あなたへ
27年の歳月
田中裕子さんとビートたけしさんは、高倉健さんの遺作となった2012年の「あなたへ」にも出演しています。
「夜叉」から27年の時が流れています。田中裕子さんは57歳、ビートたけしさんは65歳。
高倉健さんは実に81歳です。アップではさすがに年齢を隠せませんが、背筋もピンとして、動作もキビキビと、年齢を感じさせません。
ビートたけしさん
旅の途中で知り合ったビートたけしさんが、放浪と旅の違いの話をします。種田山頭火と松尾芭蕉の違いです。目的があるか、ないか。帰る所があるか、ないか…。
田中裕子さん
素敵に齢を重ねています。
お祭りのシーン
途中に出て来るお祭りのシーンは、富山県射水市の内川ですね。日本のベニスと言うキャッチコピーがあります。
2016年の映画「人生の約束」でもロケ地として使われていました。綺麗な場所です。
竹野内豊、江口洋介、西田敏行ら共演!映画『人生の約束』予告編
エンドロール
エンドロールに流れる
“このみちや いくたりゆきし われはけふゆく” 種田山頭火
が印象的です。
あなたへ
亡くなった妻からあのような便り…。
う~ん、言葉がないですね。
大滝秀治さんの遺作でもあります。
もののけ姫
最後になります。
1997年の「もののけ姫」では、42歳の田中裕子さんがエボシ御前の声優でした。
今日は女優 田中裕子でした。