グレーテルのかまど「泉鏡花とくるみのあめ煮」で巡る金沢 Part Ⅱですが、今回は、くるみのあめ煮は登場しません。
Part Ⅰは下のリンクです。
泉鏡花
今年(2023年)11月に生誕150年を迎える泉鏡花。
鏡花本 その1
番組では、鏡花本と言われる美しい装丁に彩られた鏡花の作品を紹介しています。
美麗な〈装い〉から〈鏡花本〉と称される単行本には,現代では再現困難といわれるほど贅を尽くしたものが多数みられる。(出典:日本出版学会WEBサイト)
小村雪岱
鏡花本。個人的に思いつくのは、泉鏡花記念館で見慣れた小村雪岱。
番組では、鏡花の作品と共に、美人風俗画の双璧と言われた鏑木清方と鰭崎英朋を。
鏑木清方
鰭崎英朋
山科理絵
更には現代の山科理絵さん。
昨年10月に金沢市内で開催された「金沢 泉鏡花フェスティバル2022」。
金沢市民芸術村へ行きましたが、山科理絵さんの立看板が迎えてくれました。
山科理絵さんの描く世界。泉鏡花にピッタリのような。
会場には、唐十郎さんの劇団唐組の紅テントも。
「泉鏡花フェスティバル2022」の山科理絵さんの絵に魅かれて金沢市民芸術村へ。
— Hans Potter (@Hans37339858) 2022年10月22日
広場の一角に「紅テント」。
半世紀前のHans Potterへ逆戻り。
「状況劇場」「天井桟敷」「早稲田小劇場」、そして唐十郎さん、寺山修司さん、鈴木忠志さんが頭の中をグルグル。
今思えば凄いメンバーが出演していた。 pic.twitter.com/Omr4Ww0mo7
鏡花本 その2
小村雪岱が一番記憶に残っていますが、日本出版学会のWEBサイトに拠れば、
明治期には多かった鏑木清方の装丁が大正になると、
装丁家としての仕事量減少を理由に,本画へ専念
(出典:日本出版学会WEBサイト)
したため減少し、
当時無名であった雪岱と鏡花が出会い,「日本橋」の装丁に抜擢,その仕事ぶりが評価され,以降,鏡花の著作と雪岱の装丁本というコラボレーションによる単行本が多数発行された。(出典:日本出版学会WEBサイト)
ようです。
雪岱は装画だけでなく,そこに用いる文字にも拘り,鏡花本としてのイメージを確立
(出典:日本出版学会WEBサイト)
したとのこと。
「鏡花本の〈装い〉と作品受容に与えた影響」常木佳奈(2017年5月 春季研究発表会) | 日本出版学会
泉鏡花と、当時無名だった小村雪岱の出会いが鏡花本のイメージを確立。
不思議なものです。
鏡花本 その3
番組では、鏡花の作品が芸術家に刺激を与えたと。
結果、鏡花本が花開いたのでしょう。
出版以来多くの芸術家のインスピレーションの源となってきた泉鏡花
(引用:番組のナレーション)
Part Ⅰで、泉鏡花記念館 秋山稔館長の解説にあったように、画家、芸術家を「美と幻想の世界」、「見たこともないところへ連れて行ってくれる」のかも知れません。
泉鏡花の故郷 金沢市
そして番組では、鏡花を育んだ金沢市を紹介していきます。
泉鏡花の故郷、金沢。郷土の風景や数々の伝承も鏡花の創作に映し出されています
(引用:番組のナレーション)
義血侠血
金沢を舞台にした「義血侠血」。映画や新派劇で有名な「瀧の白糸」の原作です。
太夫滝の白糸は妙齢、十八、九の別品にて…
(出典:泉鏡花;義血侠血)
「妙齢」、「別品」。若い方には「?」ですかね。
番組のシーンは、鏡花が「女川」と名付けた浅野川に架かる梅ノ橋です。
人気のひがし茶屋街に近いので観光客も多い橋です。
近くには番組にも登場した「瀧乃白糸」の像があります。
この橋もテレビなどによく登場しますが、実は増水で流され、意外と新しく架けられた橋です。詳しくは下記のリンクで。
ここで孫が近づいてきましたので、PartⅡはここまで。PartⅢに続きます。