ママ、ごはんまだ?
歌手 一青窈さんの姉、一青妙さんのエッセイ( 「私の箱子」「ママ、ごはんまだ?」)を白羽弥仁監督の脚本で映画化した「ママ、ごはんまだ?」のロケ地巡りPart 2です。
映画のロケ地巡りですが、台湾のロケ地巡りは省きます。あくまで金沢、石川県に限らせていただきます。あしからず。
一青妙さん(木南晴夏さん)、一青窈さん(藤本泉さん)、一青かづ枝さん(河合美智子さん)、以下、俳優さんのお名前で記します。
Part 1は下記リンクです。
両親の馴れ初め
ロケ地の前に、一青姉妹の両親の出会いを少し。
台湾人のご主人(一青姉妹の父)とホテルのフロント係の河合美智子さんの馴れ初めは、ご主人がかなり強引です。映画のシーンでは、ビートルズの Can’t Buy Me Love、
“Say you don’t need no diamond rings. And I’ll be satisfied.
(引用:The Beatles Can’t Buy Me Love)”
じゃなかったです。
The Beatles - Can't Buy Me Love
あの状況と経緯だと河合美智子さんも思っていることは何も言えないでしょうけど。
それと、前後しますが、BGMでサティのジムノペディ第1番が流れる中、フロント係の河合美智子さんに「(指輪を)お貸ししなさい」と言う上司。今ならパワハラで訴えられますね(笑)
因みに、金沢にある広坂ハイボールの宮川元氣さんです。エンドロールでも一青妙さんのすぐ後に「宮川元氣」とクレジットされていました。
ロケ地
高校
高校での昼食時間。クラスメートから注目を集める弁当。実に美味しそうです。一旦 日本式の弁当に変えてもらいますが、すぐに台湾式に逆戻り。
撮影は石川県立工業高校らしいのですが自信がありません。どなたかご存知の方があれば…。
この高校は「恋する女たち」や「吉祥天女」でもロケ地となっています。
圓八のあんころ
就職のため訪れた会社で貰った圓八のあんころ。河合美智子さんは、その場で食べてしまいます。すぐに食べたい気持ちはわかりますが…。
”石川県の人間は、みんな、あんころ好きや…(引用:映画より)”
というシーンがありました。
圓八のあんころ、美味しいですよ。私は好きです。
ブログで取り上げたこともあります。
家族写真
家族三人で写真を撮りますが、金沢のひがし茶屋街近く、橋場町の光画社という写真スタジオです。メイキング映像で分かりました。ここも東京という設定ですね。
三人とも着物姿です。加賀友禅など、和服の調達には事欠かない金沢でのロケは正解だと思います。
石川県中能登町「一青」
一青姉妹が、法要で母の生まれ故郷、石川県中能登町の「一青(ひとと)」へ向かいます。金沢駅で電車に乗り換え、降りたのが至近駅のJR西日本 七尾線の良川駅です。
撮り溜めした写真の中には「良川駅」も「一青」もありませんでしたので、現地へ行ってきました。
金沢からは、直線距離で片道50㎞ほど。車で走ると60㎞ほどです。
映画のシーンと同じく、駅前にはタクシーが一台停まっていました。
映画では駅のすぐ近くに「一青」という信号機があるように思いますが、実際は駅から直線距離で1㎞ほど離れています。
一青家の故郷、石川県の中能登町にある「一青」という地名は、平安時代からあると言われる、能登国能登郡一青庄発祥の名前だそうです。近辺に多く生息していたホオジロの古名 巫鳥(ヒトド)、志止止(シトト)が転訛したとも言われています。
蛇足ですが、能登には珍しい地名が多く、石川県鳳珠郡能登町には「神和住」という地区があります。元 デ杯(デビスカップ)選手 神和住純さんの出身地です。大坂なおみさんの解説で最近テレビにも出演されていますが、1973年の全米オープンで3回戦に進出しています。2008年に錦織選手が進出するまでは、日本人男子最後の全米3回戦進出だったそうです。
母の思い出
話を戻します。
告知
ガンと告知された河合美智子さん。手術入院のため、木南晴夏さんとタクシーで病院へ向かいます。それを見送る藤本泉さん。ガンとは知らされていませんが…。
“いつも母が家にいてくれる状態は家族にとって最大の安心と幸せであることを痛感した(引用:映画より)”
本当に、そのとおりだと思います。
河合美智子さんと春風亭昇太師匠
法要で母の元恋人(春風亭昇太師匠)と会った木南晴夏さんが、春風亭昇太師匠から河合美智子さんの思い出話を聞きます。
ガンを告知された河合美智子さんは、半ば強制的に木南晴夏さんを旅行へ送り出し、その間に元恋人(春風亭昇太師匠)と20年振りに再会していました。
春風亭昇太師匠の口から「男はみんな恋愛のアマチュアだ」というセリフ。フランソワ・トリュフォー監督の映画「隣の女」にでてくる言葉だそうです。
この言葉はフランソワ・トリュフォー監督の元カノであるカトリーヌ・ドヌーブが言った言葉だとか…。
フランソワ・トリュフォー監督。
私には、「未知との遭遇」のフランス人科学者のイメージが強い方です。
監督作品としては、レイ・ブラッドベリ原作の「華氏451」しか見ていません。
お寿司
春風亭昇太師匠から木南晴夏さんが、母について色々聞くことになります。
レコーディングで東京へ帰る藤本泉さんが、
“いいなぁ、お寿司(引用:映画より)”
と言っているのは金沢駅です。
藤本泉さんを見送った二人がお寿司を食べているのは金沢の名店、千取寿司ですね。初っ端に
“はい、香箱蟹です。もうお酢、かかってます。そのままどうぞ
(引用:映画より)”
という、ご主人のセリフがあります。香箱蟹(ズワイ蟹のメス)、美味しいですよ。
隅田川沿い
春風亭昇太師匠の回想シーンで、二人(春風亭昇太師匠と河合美智子さん)が歩いているのは隅田川沿いですね。
メイキング映像で、「うん〇ビル(アサヒビール本社ビル)」と首都高が対岸に見えます。二人の後方で車が走っているのは言問橋でしょうか。懐かしい。
昔、浅草に住んでいる時には当たり前の風景でした。今思えば、もっと写しておけば良かった。
古い写真がありましたので。
浅草 花やしき
花やしきのジェットコースターは、頭がぶつかりそうで怖かった記憶があります。今でもそうですかね。
倫敦屋酒場
花やしきの後、二人でステーキを食べているのは金沢の倫敦屋酒場です。ここも東京という設定です。広坂ハイボールの宮川元氣さんも倫敦屋酒場で修行されたそうですから、倫敦屋酒場繋がりということで。
倫敦屋酒場は、白羽弥仁監督のブログにも登場していました。
半世紀の歴史を持つ名店です。
その他
夜遅く帰宅した木南晴夏さんが、母からの手紙を読んで公園で反省するシーン。地面が濡れていますので、円光寺商店街のロケと同じ時期の金沢ロケだと思いますが、画像からのヒントが少なく分かりませんでした。悔しい。
印象に残ったシーン
金沢(石川)のロケ地巡りというより、映画の説明のようになってしまいましたが、この映画で印象に残ったシーンを二つ。
紹興酒
両親の死後に紹興酒の壺を埋めたことを思い出して掘り起こすシーンがあります。
紹興女児酒(女儿酒)は、超長期熟成の紹興酒で、浙江省紹興地方にある風習から生まれた酒だそうです。
女の子が産まれたときに、贈られた祝い米で紹興酒を造り、生後1か月のときに壺に酒を入れて地中に埋め、女の子の婚礼の日がくると、その酒を掘り出して封を開け、婚礼の席で嫁女酒として出席者に振る舞われるとのこと。
中華粽
母の葬儀の後、藤本泉さんが “お腹が減った” と言いだし、冷凍庫から母の作った中華粽が出てきて姉妹で食べるシーン。
自分がこの立場だったら経験したくないシーンです。と言うより絶対に嫌です。悲しすぎます。想像するのも嫌です。
白羽弥仁監督の意図したとおりでしょうか。
以下、実際のご家族の写真ですね。